機関紙「いわて労連 2018年月6号      

●国民大運動実行委員会・憲法キャラバン2018/「憲法は根付いている」「自衛隊の9条明記は必要ない」/「憲法・平和」などテーマに県内首長と懇談●国は被災者の生活と生業の再建に責任を持て!国会行動に150人●大熊座●憲法学者・木村草太氏を招いた「5・3憲法集会inいわて」に900人!●3000万署名、県内13万筆を突破!●当事者意識を持って9条守ろう/西和賀9条の会講演会●第89回メーデー県内各地区集会●まともに暮らせる最低賃金の確立を!/最賃キャラバン2018/秋田でスタート集会を開催●最賃キャラバン岩手行動で要請と宣伝●純増めざして!/組織拡大推進を●核兵器廃絶を!/6・9行動●高度プロフェッショナル制度許すな!/働き方改革法案は廃案に!●NEWSフラッシュ●主張●めも・あーつ200●川柳


 

 


1面
国民大運動実行委員会・憲法キャラバン2018
「憲法は根付いている」「自衛隊の9条明記は必要ない」

「憲法・平和」などテーマに県内首長と懇談
 
国民大運動岩手県実行委員会は、5月14〜25日にかけて「憲法を活かした安心・安全な地域づくりのための自治体要請キャラバン」を実施しました。県内33自治体を訪問して、「憲法と平和」「復興・防災」「地域課題」の3つのテーマで首長の皆さんに要請書を提出し懇談しました。
 安倍政権による改憲が狙われている中での「憲法キャラバン」となりました。改憲については「憲法9条を変える必要はない。自民党は教育無償化と言うが医療費無料化の方が必要。改憲より先にやるべきことがある」(市長)、「昭和20年8月生まれ。戦争はいけないという思い。平和憲法は守らなければならない。恒久平和が大事だ。憲法は根付いている。改憲すべき時期ではない」(町長)、「9条に関しては厳守していかなければならない」(町長)、「改憲は国民的議論になっていない。自衛隊の存在自体は必要と思うが、憲法改正(9条自衛隊明記)は違うと思う」(村長)など、安倍政権や自民党の姿勢に対しては否定的な意見が大勢でした。
 核兵器禁止条約をめぐっては「核兵器はない方がいいに決まっている。核兵器禁止条約は理想論であり、ただちになくならなくても、日本は参加すべき」(村長)など、多くの首長が日本政府の姿勢に批判的でした。このキャラバンで「平和首長会議」への加盟を毎年呼びかけてきましたが、今年の3月で県内すべての自治体が加盟しました。また、ヒバクシャ国際署名への首長の賛同も呼びかけてきましたが、今年に入ってすべての首長がサインしています。
 震災復興の課題については「大震災後、根本的に支援・解決する法改正がされていないことが問題。心のケアも課題だ」(村長)などの声が出されています。
 地域課題では今年も人口減少や地域医療、保育問題などが共通して語られました。

国は被災者の生活と生業の再建に責任を持て!/国会行動に150人
 5月9日、「国は被災者の生活と生業の再建に責任をもて5・9国会行動」が行われ、全体で約150人、岩手県内から16人が参加しました。全国災対連と被災3県復興センター等による実行委員会が主催しました。
 岩手の参加者は県選出国会議員への要請行動も独自に行いました。また、仮設店舗の解体費助成期限延長を求める中小企業庁要請も行い「延長可能」という成果を得ています。
 省庁交渉では復興岩手県民会議の金野耕治・いわて労連議長が進行を務めました。参加者は、被災者生活再建支援金500万円への増額や災害公営住宅の家賃減免などを求めて追求しました。署名提出集会には日本共産党の紙智子参議院議員をはじめとした国会議員団や、木戸口英司参議院議員、国民民主党の階猛衆議院議員らも参加してあいさつをしました。


大熊座
安倍首相や昭恵夫人自らが疑惑の渦中にあるモリ・カケ問題は一体いつになったら真相が明らかになるのか。愛媛県の新文書に対して加計学園は「首相との面会は事実でなかった」などと弁解。5月28日の毎日新聞は、加計学園問題を巡る安倍首相の説明に「信用できない」が国民の7割と。ところが同日の衆参両院での集中審議でも真実は見えてこない▼法政大学の上西充子教授のツイッターが注目されている「ご飯論法」。「朝ご飯を食べましたか?」と聞かれて、「ご飯は食べませんでした」と答え(パンは食べたけどそれは黙っておこう)、その後パンを食べたことが発覚し、「なぜパンを食べたと言わないのか」と聞かれても「パンの質問はなかったから」と答える。「じゃあ、朝ご飯は食べたのね」と聞かれても「確認したが、食べずに捨てました」と答える。その後、捨ててないことが発覚し、「食べずに捨てたというのはウソですね」と聞かれ「確認したのは朝ご飯の消費期限だった」と答える。「朝ご飯を食べた」という県職員と「食べていない」という元秘書官、「どっちが正しいか」と聞かれ、「今後とも朝ご飯を食べたかどうか疑念を招かないようしっかり文書に残す努力をしていく」と答える▼このような不誠実な答弁を続けて時間を稼ぐ一方で、過労死促進・残業代ゼロの「働かせ大改悪」法案や日本の経済主権をアメリカなどの大企業に明け渡すTPPイレブン批准、賭博合法化のカジノ実施法案など悪法が次々と狙われている。誠意ゼロのアベ政治は退場しかない。勇気を出して真実を語った日大の宮川選手を見習うべきだ。(こ)


2面
憲法学者・木村草太氏を招いた「5・3憲法集会inいわて」に900人!
 
安倍政権による改憲が狙われているもとで、5月3日の憲法記念日に「5・3憲法集会inいわて」が盛岡市内で開催されました。テレビなどでおなじみの憲法学者・木村草太氏が講演し、県内各地から900人が参加しました。安倍9条改憲NO! 全国市民アクション岩手の会が主催しました。
 「5・3憲法集会inいわて」は、岩手教育会館多目的ホールをメイン会場に、サンビル7階大ホールをサブ会場(中継)にして行われ、どちらも満席となりました。
 開会あいさつを平和環境センターの野中議長が行いました。安倍9条改憲NO!3000万署名の県内の到達が11万7千筆と発表されました。
 続いて来賓として立憲野党から民進党県連、自由党県連、日本共産党県委員会、社民党県連が連帯のあいさつを行いました。
 記念講演では、首都大学東京教授の木村草太さんが「憲法記念日に憲法9条を考える」と題してお話ししました。木村さんは、「憲法は、過去の国家権力の三大失敗『戦争・人権侵害・独裁』を繰り返さないために、@軍隊と戦争をコントロールする、A人権の保障、B権力の分立で、独裁を許さないという考えを基に作られた」、「9条改憲と抱き合わせで『教育の無償化』を掲げているが、憲法を変えなくとも、法改正し予算を付ければ済むこと。憲法改正の為の国民投票に事務費用850億円をかけるくらいなら、教育無償化の費用に充ててはどうか」と話しました。
 集会後、参加者は盛岡市内をパレードして「憲法変えずに政治を変えよう!」などとコールしながら歩きました。

3000万署名、県内13万筆を突破!
 安倍9条改憲NO!3000万署名集約は、5月3日の全国集会で1350万筆と発表されました。県内の署名は5月末で13万71筆の到達となっています。引き続き全国では3千万筆、県内30万筆めざして取り組みがすすめられています。
 5月10日には、平和憲法・9条を守る岩手の会が呼びかけて「安倍内閣は総退陣を、9条改憲は許さない100人ピーススタンディング行動」が県庁・県議会前で行われ、100人には届かなかったものの、70人が参加して「9条改憲NO!」「安倍政権総退陣」をアピールしました。
 自治労連・平泉町職をはじめ、「組合員1人10筆」の目標を達成してさらに広げている職場も出ています。改憲阻止に向けてもうひとまわり奮闘しましょう。

当事者意識を持って9条守ろう/西和賀9条の会講演会
 5月13日、詩人で、九条の会会員のアーサー・ビナード氏を招いた講演会「知らなかった、ぼくらの戦争」(主催・西和賀9条を守る会)が西和賀町銀河ホールで開催され、80人が参加しました。ビナード氏は、「日本語の理解を深めるため、日本国憲法を勉強した。合衆国憲法も勉強し直し、憲法と戦争が現実とつながり、当事者意識を持つことができた」、「いま、憲法9条改正の是非が問われている。しっかりとした当事者意識を持つことが大切。意識を持った人たちの行動に懸けたい。私は絶対諦めないよ!」と述べ、参加者の共感を得ました。

3面
まともに暮らせる最低賃金の確立を!/最賃キャラバン2018
秋田でスタート集会を開催
 
5月27日、「全労連北海道・東北ブロック最賃キャラバン2018スタート集会in秋田」が秋田市内で開催されました。
 中澤秀一・静岡県立大学短期大学部准教授が「最低生計費調査の生命力と国の果たすべき責任」と題して講演しました。中澤先生は最低生計費試算調査を全国で監修。「(全国一律最賃制確立)これはわたしたちの問題であり、いま取り組まなければならない」と強調しました。
 続いて、全労連の斎藤寛生常任幹事が「全国最賃アクションプラン」について方針提起しました。
 その後、各道・県代表が運動の報告と決意を表明しました。全労連幹事の出口・北海道労連事務局長が行動提起を行いました。
 翌日の28日は秋田県行動が取り組まれました。秋田労働局や県への要請、街頭宣伝が行われました。北海道労連と東北6県代表も参加して行動を支援しました。

最賃キャラバン岩手行動で要請と宣伝
 5月30日、最賃キャラバン岩手県行動が行われました。盛岡駅前での早朝最賃宣伝からスタート。岩手県知事と岩手労働局長へ最低賃金引上げなどの要請を行いました。
 この行動には福島県労連・斎藤議長と山形県労連・勝見議長が応援に駆けつけました。
 お昼には最賃・ディーセントワーク宣伝を盛岡市大通で行って、全国一律最低賃金制度の確立を訴えました。また、「働き方改革一括法案は強行採決するな」と訴えました。

純増めざして!組織拡大推進を
 
4〜6月は組織拡大月間です。6月末の組織調査に向けて、各組織とも奮闘中です。新採用者100%加入や、未加入者拡大推進など各職場で工夫しながら努力がされています。
 県医労各支部では、毎年4〜5月に組合加入説明会や歓迎会を開催し、組織拡大をめざし取り組んでいます。日本医労連の「100%加入マニュアル」を活用し、加入をすすめていましたが、さらに今年度は県医労版説明会用スライドとシナリオを作成しました。一戸支部では4月12日に組合説明会を開催。新採用者6名が参加し、全員がその場で加入しました。
 引き続き、前進をめざして奮闘しよう!

核兵器廃絶を!6・9行動
 
5月9日、岩手県原水協は盛岡市内で「6・9行動」を行いました。
 核兵器廃絶国際署名は、県内目標50万筆に対して15万5千筆となっています。

高度プロフェッショナル制度許すな! 働き方改革法案は廃案に!
 安倍政権は残業代ゼロ法の「高度プロフェッショナル制度」や過労死するほどの長時間労働を容認する「時間外労働上限規制」を含む「働き方改革一括法案」を強行成立させようとしています。
 5月25日に衆議院厚生労働委員会での採決を強行しました。この日は全労連や国民春闘共闘委員会による「安倍改憲NO!労働法制改悪阻止・第1次最賃デー5・25中央行動」が国会や霞ヶ関周辺で行われて、岩手からも代表が参加しました。厚生労働省前での行動では、中原のり子・東京過労死を考える家族の会代表が「高度プロフェッショナル制度」反対を力強く訴えました。その後国会請願デモや議員要請が行われました。院内集会では吉良よし子・日本共産党参議院議員が情勢報告を行って、廃案まで奮闘しようと呼びかけました。
 いわて労連は厚生労働委員会での採決強行が狙われる中、23日早朝に緊急の宣伝行動を盛岡市内で行って「働かせ方大改悪反対、安倍政権総退陣」を訴えました。
 国民の多くは「働き方改革関連法案」に反対しています。ネット署名(四面に詳細)を広げて、参議院段階で廃案に追い込むために引き続き声を上げていきましょう。

NEWSフラッシュ
 ●LU盛岡支部が街並みウォーキング
 
5月12日、ローカルユニオン盛岡支部は「街並みウォーキング」を開催しました。
 ●年金者組合・年金裁判
 
5月18日、年金者組合による年金裁判が盛岡地裁で行われました。次回は8月10日です。
 ●ナースウェーブ集会
 
5月19日、岩手医労連は岩手県ナースウエーブ集会を県公会堂で行いました。
 ●消費税増税反対宣伝
 
5月24日、消費税廃止各界連絡会は「イエローキャンペーン」消費税10%増税反対街頭署名宣伝を盛岡市内で行いました。

主張
国民平和大行進を成功させて、核兵器禁止の世論を広げよう
 5月6日に国民平和大行進=北海道〜東京コースが北海道礼文島を出発して、道内を行進中です。6月9日に岩手県二戸市に入り、岩手県内を行進して17日に宮城県へと引き継がれます。今年は全国通し行進者の山内金久さん(東京原水協)と特別行進として静岡原水協の小林和江さんが県内を行進します。多くの参加で励まし合いながら行進を成功させましょう。
 今年は、県内行進の最中に北朝鮮とアメリカによる米朝首脳会談(12日予定)が予定されています。昨年は、国連で核兵器禁止条約が議論される中での岩手県行進でした。北朝鮮によるミサイル発射が行われて各地でJアラートが鳴り響くという状況もありました。しかし一年で大きく情勢は様がわりしています。昨年の7月に核兵器禁止条約が国連で採択され、現在、発効に向けて賛同国の努力が進められています。県内では、達増知事を先頭に全首長がヒバクシャ国際署名にサインし、平和首長会議に県内の全市町村が加盟しました。そしてとうとう、朝鮮半島の非核化に向けて米朝の首脳がはじめて会談を行おうとしています。対話路線で情勢は前進しています。
 こうした時に日本政府は、唯一の戦争被爆国でありながら核兵器禁止条約に背を向けています。北朝鮮に対しても圧力一辺倒で、米朝の対話路線に貢献することもなく、水を差すような姿勢です。平和憲法9条を持つ日本こそ、対話路線で情勢をリードすべきです。
 国会では、「隠ぺい・改ざん・圧力・セクハラ」の安倍政権が、平和憲法9条を含めた改憲に向けて暴走をしています。変えるべきは憲法ではなく政治の方です。そして、核兵器禁止に背を向ける安倍政権の姿勢こそ変えさせなければなりません。ヒバクシャ国際署名をさらに広げながら国民平和大行進を大きく成功させ、8月に広島で開催される原水爆禁止2018世界大会への代表派遣もすすめ、核兵器禁止の世論をつくりだしていきましょう。


4面
めも・あーつ200
「ひとりひとりの心底で生きる言葉を探して」
今、国会の集中審議の激しい質疑が行われている。廃棄されたとする文書が山のように出てきても知らぬ存ぜぬ、はぐらかし、的外れ答弁の首相、大臣、官僚の言葉は虚しい。加えて、ふんぞりかえり、ニヤついたり隣席の議員と笑いあったりとまるで他人ごとのような態度にも愕然とする。
 そんななかで、日本大学アメフト部のルール違反のタックルをした加害者の20歳の男子学生の記者会見に救われた思いがした。言葉を選びながら真摯に向き合う姿に、真実が見て取れる。
 詩人の谷川俊太郎さんは、東日本大震災後に「言葉」という詩を書いている。
 何もかも失って
 言葉まで失ったが
 言葉は壊れなかった
 流されなかった
 ひとりひとりの心底で
何もかも破壊されたかにみえた大震災。失わずに済んだ命さえ持て余す日々。陸前高田のひとりの漁師は、「じいちゃんがとってきた白いお魚がもう一回食べたい」という孫の言葉におされて海に出た。
 つい最近、年金者組合の花巻支部の文集「はなのわ」16号が発行された。花巻支部では、囲碁や編み物、ボウリング、一泊旅行などサークル活動が盛んだが、参加できない人もいる。なんとか参加してもらいたいと企画したと聞いた。毎年開かれる年金者組合の東北ブロック集会では高い評価を受けている。テーマは何でもいいらしい。幼い頃の思い出、映画、本、音楽、政治や旅のこと、豊富な内容に驚かされる。読んでいくと共感したり感心したりしながら、歴史の教科書には決してのらないだろうが、その人の人柄や生き方が浮かんでくる。
 「言葉」を使ったこの「めも・あーつ」も200回を迎え終わることになった。誤字・脱字、言い回しのまずさや独りよがりの拙文でしたが、読んで下さった皆様に心から感謝致します。書くことを通して何を意識して生きるか、特に大震災以降は深く考えさせられる毎日でした。締め切りに遅れる原稿に対応して下さった担当者さんありがとうございます。おかげ様でした。(久保克子)
 久保さん長い間ありがとうございました。来月から新企画が始まります。(事務局)


   川  柳
イエスだけのカードを持ってトランプへ
                                                                           巷多朗

できる人記憶までも改ざんし
                                                                           野の一枝

出し切ると言うとる首相(うぬ)がウミの親
                                                              瀬川重哉

衣笠は巨人ファンでも忘れない
                                                              拓  庵
   年金者組合盛岡支部