機関紙「いわて労連 2017年6月号      

●国民大運動実行委員会・憲法キャラバン/「改憲の必要なし」、「共謀罪は戦前の治安維持法だ」/県内自治体首長と懇談●共謀罪はいらない!緊急学習会●大熊座●「5・3憲法記念日のつどい」と「憲法祭り」開催/日本会議の共謀罪廃案を●核兵器禁止の声を広げよう●被災者切り捨て許すな!国会行動に200人●第88回メーデー県内各地区集会●全国一律最低賃金制度確立!時間額1000円以上、1500円めざそう!/全労連北海道・東北ブロック最賃キャラバン・青森スタート集会を開催●最賃キャラバン岩手行動で要請と宣伝●8時間働いてまともに暮らせる賃金を!青年ユニオンが宣伝●医師・看護師増やせ!地域医療守れ!/ナースウェーブ集会に130人●岩手の医療はどうな?地域医療構想を学ぶ●第3回母親大会実行委員会〜県大会とあわせて成功を●第63回岩手県母親大会●主張●めも・あーつ189●川柳


1面
国民大運動実行委員会・憲法キャラバン
「改憲の必要なし」、「共謀罪は戦前の治安維持法だ」/県内自治体首長と懇談

 
国民大運動岩手県実行委員会は、5月15〜24日にかけて「憲法を活かした安心・安全な地域づくりのための自治体要請キャラバン」を実施して、県内33自治体を訪問して要請と懇談を行いました。


 各自治体の首長等と、憲法と平和、復興、地域課題の3つのテーマで懇談。改憲については「改憲の必要性は感じていない」、「解釈で勝手にできるものではなく、そうさせないためのものが憲法だ」、「総裁と首相の使い分けは卑怯。長期政権の驕り」、「2020年までに改憲など乱暴な議論。論外だ」、「(9条に)自衛隊を書き込めと思っている人でも、進め方としては認められないと感じているのではないか」など、率直な批判が出されました。
 共謀罪については「国民にきちんと知らされていない」、「どうみても戦前の治安維持法だ」、「(国連からの意見書について)先進国として恥ずかしいのではないか」といった声が出されました。
 沖縄新基地問題では「進め方としておかしい。『国がお願いにくる』というのであればわかるが、力で負かすというのはいかがなものか」などの意見が出されました。
 震災復興の課題については「本当に復興というならそれなりの方に大臣になってもらいたい」、「(台風10号被害では)3・11と違って復旧費用等の財源確保には本当に苦労してきた」、「(国は)熊本(地震災害)は『大震災』ではなく、通常の地震という。東日本大震災の反省とか教訓はなんだったのかが問われる」など国への批判も出されました。
 地域課題では、人口減少や地域医療、医師・看護師・保育士不足、国保の県移管などの問題が多くの自治体で語られました。
 今年もヒバクシャ国際署名への賛同を呼びかけましたが、新たに岩手町の民部田町長と金ケ崎町の橋町長から署名を寄せていただきました。

共謀罪はいらない!/緊急学習会
 
5月23日に「組織的犯罪処罰法改正案」=「共謀罪」法案は、自民、公明、維新などによって衆議院本会議で「強行可決」され参議院に送られました。
 前日の5月22日、「戦争させない・9条壊すな!岩手の会」 が主催した 「緊急学習会 STOP共謀罪!」が盛岡市プラザおでってで開催され、180人が参加しました。
 憲法改悪反対県共同センター代表の佐々木良博弁護士が講演して「政府のいう『テロ対策』や『国際条約締結』のため、というのはウソだ。戦争する国づくりの仕上げだ。内心の自由を侵す戦前の治安維持法と同じ」、「一般人は対象にならないというが、警察が判断すれば対象に。『準備行為』は何の歯止めにもならない」と批判。「治安維持法で拘束された人は数十万人、そのうち起訴されのは1%だ。国民に恐怖をあたえて自粛させることが目的だ」とし、「真実を伝えて広範な共同のたたかいで運動を強め、政治の転換を目指すことが重要」と強調しました。

大熊座
 
安倍政権が今国会で成立をねらうテロ等準備罪(組織犯罪処罰法改正案)=「共謀罪」を何としても廃案に追い込もうと街頭宣伝署名や学習会・デモ行進などに取り組んでいます▼国連のプライバシーの権利に関する特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏が安倍首相宛に「共謀罪」法案に対する書簡を送りました。懸念が指摘されたのは、@プライバシーに関する権利と表現の自由への過度の制限につながる、A「組織的犯罪集団」の定義が漠然、B「計画」の具体的な定義が不十分、C「準備行為」の範囲が曖昧、D起訴前の監視の強化が予測され、プライバシーと監視に関する保護と救済が問題、E国益に反する活動とみなしてNGO(非政府組織)に対する監視が正当化される、Fプライバシーに関する権利や国民の自由の行動への影響が深刻、G抽象的かつ主観的で法的に不透明、H立法を急ぐあまり、広範な国民的な議論を不当に制限している、と▼さらに、問題点として、@プライバシー保護のための新たな条文や規定がない、A監視に対する事前の令状主義の強化もない、B監視活動の実施を事前に許可するための第三者機関が設置されていない、C捜査当局や安全保障機関、諜報機関の活動の監督に懸念、D警察が広範に個人情報を求め、プライバシー権に悪影響を及ぼす▼日本政府からの回答は、ただ怒りの言葉を並べただけの中身のない「強い抗議」のみで、一つも反論がなかったと同氏。国連からの指摘に、まともに応えられない安倍政権。テロ対策と国際条約締結のためなど、立法事実は破綻しました。憲法違反の共謀罪法案は必ず廃案に!(こ)

2面
「5・3 憲法記念日のつどい」と「憲法祭り」開催/「日本会議」の狙う共謀罪は廃案を!

 
5月3日、盛岡市のプラザおでってで、「5・3憲法記念日のつどい」が開催されました。岩手憲法会議、いわて労連、自由法曹団など7団体が主催し、150人が参加しました。
 「日本会議ってなに?安倍政権がめざすもの」と題して鈴木敏夫氏(子どもと教科書全国ネット21常任運営委員)が記念講演を行いました。
 はじめに「日本会議」の活動を報道した番組のDVDを視聴して、改憲を求める「1000万署名」の運動など危険な活動の実態を学びました。鈴木氏は「森友問題」にもふれながら「教育勅語」はそもそも日本国憲法の理念に合わないこと、戦後にきっぱり否定されたものであることを指摘しました。そして安倍内閣と一体に憲法改悪を狙う組織として活動する「日本会議」の本質を指摘してその危険性を批判しました。
 つどいの終了後、プラザおでって前広場で「憲法祭り」を開催。デュオ「PartTime」の歌や憲法クイズ、浦川陽子さんの朗読「盛岡弁で憲法を」、フリーマーケットなどを行いました。最後に参加者で「アベ政治を許さない」のコールを行って終了しました。

核兵器禁止の声を広げよう
 
5月14日、ヒバクシャ国際署名岩手の会の主催で「キックオフ集会」がサンビル大ホールで開催されて250人が参加しました。
 主催あいさつで県被団協の伊藤宣夫会長は「わたしの生きているうちに核兵器廃絶を」と強調しつつ、「25歳という若い講師に希望を感じる」と期待を述べました。講演はヒバクシャ国際署名キャンペーンリーダーの林田光弘さんが講師で、ヒバクシャの体験の恐ろしさを多くの人に届ける工夫を訴えました。その後、労働者や学生、教師らと林田さんがトークセッションを行い、盛岡医療生協労組の武田綾さんは「自分の感じたことをまわりの人に伝えていきたい」と語りました。
 岩手の会は、ヒバクシャ国際署名を県内50万筆めざして集めることを確認しました。

被災者切り捨て許すな!/国会行動に200人
 
5月10日、「被災者切り捨て許すな!国の責任で復興を5・10国会行動」が行われ、全体で約200人、岩手県内から26人が参加しました。
 全国災対連と被災3県復興センターによる実行委員会が主催して、院内集会や省庁交渉などを行いました。
 岩手県代表は被災者生活再建支援金500万円への増額などを求めて追求しました。署名提出集会には日本共産党国会議員団をはじめ、木戸口英司参議院議員や民進党の議員も参加しました。
 岩手県代表は県選出国会議員への要請も行いました。  


3面
全国一律最低賃金制度確立! 時間額1000円 以上、1500円 めざそう!
全労連北海道・東北ブロック最賃/キャラバン・青森スタート集会を開催
 
5月21日、全労連北海道・東北ブロック最賃キャラバン青森スタート集会が青森市内で開催されました。最低生計費試算調査を監修していただいている中澤秀一・静岡県立大学短期大学部准教授が講演しました。中澤先生は「最低生計費試算結果は全国一律最低賃金制度の根拠になる。これを力に最賃1500円以上をめざして運動をすすめてほしい」と強調しました。
 その後、北海道と東北6県代表が運動の報告と決意を表明しました。全労連幹事の出口・道労連事務局長が行動提起を行い、「声を集め、広げ、ぶつけよう」と訴えました。
 翌日の22日は青森県行動が取り組まれました。青森労働局と県への要請、街頭署名宣伝が行われ、道労連と東北6県代表も参加して支援しました。

最賃キャラバン岩手行動で要請と宣伝
 5月26日、最賃キャラバン岩手行動が行われました。
 
盛岡駅前での早朝最賃宣伝からスタート。岩手労働局への要請行動や、連合岩手との懇談を行いました。
 労働局では地方審議会として主体的に大幅な引き上げを行うよう強く求めました。連合では今年の最賃引き上げに向けた運動や構えを交流しました。
 この行動には秋田県労連・三浦副議長と山形県労連・勝見事務局長が応援に駆けつけました。
 お昼には最賃・ディーセントワーク宣伝を盛岡市大通で行って、全国一律最低賃金制度の確立を求める署名を訴えました。

8時間働いてまともに暮らせる賃金を!
青年ユニオンが宣伝
 
5月20日、いわて青年ユニオンは「8時間働いてまともに暮らせる賃金を」と訴えて盛岡市大通で宣伝を行いました。若者の労働実態アンケートを配布しながら、シール投票や全国一律最賃署名を訴えました。

第4回母親大会実行委員会/県大会とあわせて成功を
 
5月14日、第4回日本母親大会実行委員会が盛岡市のタカヤアリーナで開催され、県内各地から実行委員が参加しました。
 会議は8月の日本母親大会のメイン会場となる場所で、大会成功に向けて雰囲気を盛り上げました。日本大会の財政活動用のオリジナル帆布バッグも紹介されました。
 6月11日開催の岩手県母親大会の準備も着々と進められています。県大会を大きく成功させて、8月の日本大会も成功させようと意思統一しました。

医師・看護師増やせ! 地域医療守れ!
ナースウェーブ集会に130人
 
5月13日、岩手医労連は盛岡市プラザおでってでナースウェーブ集会を開催して、約130人が参加しました。
 渡部容子弁護士(盛岡さくら法律事務所)が「人権としての社会保障―いのち守るために―」と題して講演しました。その後、「共謀罪創設に反対する特別決議」を採択しました。職場報告では、県医労、医大教職組、北上済生会従組から厳しい職場実態が語られました。
 最後に、雨の中でしたがアピール行進を行って「医療・社会保障の予算を増やせ」と訴えながら元気に行進しました。

岩手の医療はどうなる?/ 地域医療構想を学ぶ
 
5月24日、「どうなる?岩手の医療 岩手県地域医療構想学習会」が県民会館で開催され、36人が参加しました。
 岩手医労連と岩手県社会保障推進協議会が主催しました。平成30年度からの次期保健医療計画と重ねて、地域医療構想見直しが検討されています。担当している千田真弘・岩手県保健福祉部医療政策担当課長が講演して、進捗状況を説明しました。質疑では「市町村との合意を大切にすすめてほしい」、「国のねらいは療養病床の削減ではないか」、「人材確保に県として積極的な施策を」、「協議の場を積極的に公開してほしい」など、活発に意見が交わされました。
 閉会のあいさつを県社保協の鈴木事務局長が行い、「地域住民と自治体が一体になって医療費抑制攻撃とたたかっていこう」と締めくくりました。

主張
核兵器禁止の圧倒的な世論を!国民平和大行進を成功させよう
 
1954年に太平洋・ビキニ環礁でアメリカが行った水爆実験による被爆が発端となって、核兵器禁止への大きな運動が巻き起こり、現在の原水爆禁止運動に続いてきました。
 今年も5月7日に北海道の礼文島を出発した国民平和大行進=北海道〜東京コースが6月10日に岩手県二戸市に入り、18日に宮城県へと引き継がれます。核兵器廃絶に向けた一歩一歩を刻む平和行進。今年の県内行進は、支線コースを広げて、全ての市町村を網羅する計画となっています。ぜひ、職場・地域からの結集で大きく成功させましょう。
 今年の平和行進は、国連で核兵器禁止条約が議論される中で取り組まれます。国連の核兵器禁止交渉会議の第2会期は、6月15日から7月7日までで、それに先立つ5月22日にはジュネーブで禁止条約の草案が公表されました。核兵器を違法化するだけでなく、ヒバクシャへの援護も規定されており、核兵器全面廃絶へ道を開くものと評価されています。
 こうした時に日本政府は、核保有国アメリカの圧力に屈して、この交渉会議に不参加を表明しました。唯一の戦争被爆国である日本政府が、ほかならぬヒバクシャが命をかけて訴えている核兵器廃絶に反対するなど、断じて許されません。今からでも交渉会議に参加して、核兵器禁止条約締結の先頭に立つべきです。
 国会では、内心の自由を脅かす「共謀罪」の参議院審議が山場を迎える時期になります。国民の願いに背を向け、憲法改悪や共謀罪創設に夢中の安倍政権には、一日も早く退陣してもらうしかありません。ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶署名も呼びかけながら、今年の国民平和大行進を大きく成功させ、8月に長崎で開催される原水爆禁止2017世界大会への代表派遣で、核兵器禁止・廃絶を!の圧倒的な世論をつくりだしていきましょう。

第63回岩手県母親大会
日時 6月11日12時開場
全体会 13時〜15時半
岩手県公会堂大ホールにて
オープニング:ドゥ・マルシェ (ヴァイオリン・アコーディオンのユニット)
【記念講演】
演題 「私は私で輝きたい ―世界の女性と連帯して―」
講師 柴田真佐子さん(日本婦人団体連合会会長)
参加協力券 1,300円
主催 第63回岩手県母親大会実行委員会

4面
めも・あーつ189
政党も団体も男も女も老いも若きも/《平和を願うならキックオフ!!》
 忙しさから少し脱出できて3つの学習会に参加した。
 ●いまこそなくそう!核兵器in岩手「ヒバクシャ国際署名岩手の会」キックオフ集会=i5月14日)
 
記念スピーチの林田光弘さん(長崎・浦上出身)は、大学を休学しての全国行脚。被爆した方々の声に耳を傾け、核兵器はただ死を招くだけではない、地球を死の星にする悪魔の兵器であることを、誰にどのように訴えるか、戦略を練って取り組もうと提案した。国連会議の核兵器禁止条約草案が公表され6月15日から交渉会議が始まる。
 ●「子どもの貧困問題を考える」シンポジウムinいわて(5月21日)
 
齋藤昭彦県立大学准教授、小野寺けい子小児科医師、赤坂美代子みちのくみどり学園副園長、花坂圭一インクルいわて事務局長、高橋千鶴子衆議院議員の生々しい報告には、やはり衝撃をうけた。16人に1人の子どもの貧困は親の貧困に他ならない。現在携わっている労働相談の事例をみれば容易に想像がつく。貧困は、子ども・女性・高齢者・若者と区分されてしまっているが、中高年いわゆる働き盛りの貧困は抜けている。バブルがはじけホームレスが増え、失業者には非正規雇用、リーマンショックで年越し派遣村が開かれた。貧困の流れは全ての人に広がり加速しているように思える。
 ●緊急学習会STOP!共謀罪(5月22日)
 
佐々木良博弁護士の講演はいつも心に残るが、結局は自分が断片的な知識のみで知性に欠けていたことを思い知らされた。日本の空を真っ黒な雲が覆う事態になっていた共謀罪。大人は原発という負の遺産を残してしまった。さらに戦争をする国を残してはならない≠ニ学習会の最後を締めくくった。「しなやかに、したたかに時に毅然として希望をあきらめないこと」沖縄平和運動センター議長のことばが何より大切に思える。
 アベ政権に戦争NO!の世論を突きつけるムーブメントを起こし、その時には躊躇なく参加できるよう頭もからだも鍛えておこう。

(久保克子)


   川  柳
平成のワーストレディだアベ昭恵
                                                                                        野の一枝

失言のふりして大臣本音吐き
                                                                                        拓  庵

正直で僕はなれない大臣に
                                                                                        巷多朗

長時間任意で応ずる筈も無く
                                                                                        瀬川重哉
年金者組合盛岡支部