●復興県民会議第6回総会/被災者に寄り添った復興を/孤立化防ぎ、顔の見えるコミュニティづくり●最低賃金21円引き上げ●16人事院勧告、3年連続プラス改定に○3年連続プラスなるも扶養手当「見直し」強行●大熊座●原水爆禁止世界大会報告集会/核兵器のない世界の扉を開こう●日本母親大会in石川・福井に9300人/来年は岩手で開催●いわての介護を良くする会準備会「講演会&報告会」/介護保険改悪を許すな!●第28回全労連定期大会開●サマーフォトギャラリー●盛岡労連サマービアパーティで交流●戦争法廃止、憲法まもれの取り組み●原発なくても電気は足りてる!●TPP批准は許さない●消費税10%は中止せよ!●主張●NEWSフラッシュ●めもあーつ181●川柳
1面被災者に寄り添った復興/孤立化防ぎ、顔の見えるコミュニティづくりを
8月27日、東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議の第6回総会が釜石市のシープラザ遊で開催され、約100人が参加しました。
主催あいさつを復興県民会議代表世話人で元東日本大震災被災者の生活再建を目指す釜石地域の会代表の前川慧一氏が行いました。
総会へのメッセージが、達増拓也・岩手県知事、黄川田徹・衆議院議員、小沢一郎・衆議院議員、木戸口英司・参議院議員、岩渕友・参議院議員、全国災対連から寄せられました。
記念講演として、野田武則釜石市長が復興の現状と課題について話し「撓(たわ)まず、屈せず、沿岸市町村と連携して復興をすすめたい」と述べました。
続いてシンポジウムが行われました。黒田至・野田団地自治会長、菊池亮・釜石市社会福祉協議会地域福祉課長、斉藤信・岩手県議会議員の3人がパネラーとなりました。黒田氏は災害公営住宅が建設された自治会として被災住民の孤立化を防ぐため、町内会が積極的に住民に働きかけて顔の見えるコミュニティづくりをめざしていることを報告しました。菊池氏は被災者の見守り・支えあいを積極的にすすめ、個人情報について社協と行政が協定を結んで取り組んでいると報告し、住民との信頼関係が大事だと強調しました。斉藤氏は、市町村間、被災者間で格差の広がりがあること、医療・介護負担免除や住宅再建支援拡充が不可欠と指摘し、被災者の心のケアもますます重要になっていると強調しました。コーディネーターを務めた小野寺栄悦・岩手自治労連委員長は「被災者に寄り添った復興をすすめよう」とまとめました。
シンポジウム後に第6回総会が行われ、復興県民会議事務局長の金野耕治・いわて労連議長が議案を提案し、新年度の方針と役員体制が確認されました。
最低賃金21円引き上げ
岩手県の最低賃金は21円引き上げて716円とすることが確定しました。過去最高の引き上げ額ですが、「いますぐ1000円」という要求には程遠く、最高額の東京(932円)との格差はさらに広がりました。
いわて労連は8月3日、最低生計費試算調査の結果を報告する記者会見を行い、「いますぐ1000円実現、全国一律最賃制度の確立を」とアピールしました。この日は最賃審議会で意見陳述が行われ、いわて生協労組の阿部恵子副委員長が大幅な引き上げを訴えました。8月9日に21円引き上げが答申されましたが、8月23日、いわて労連や岩手医労連などが異議申出書を労働局に提出。8月25日に審議されましたが答申通りで決定されました。引き続き、全国一律最賃制度実現に向けて運動を強めていきましょう。
16人事院勧告/県公務共闘が声明
8月8日に、人事院勧告が出され、3年連続のプラス改定となりました。
一方、扶養手当の「見直し」も勧告されています。いわて労連と岩手県公務共闘会議は声明を発表しました。
3年連続プラスなるも扶養手当「見直し」強行
岩手県国公議長 岩崎保
8月8日、人事院は、一般職国家公務員の給与等に関する勧告と報告を行いました。生活改善には及ばないとはいえ、月例給(0・17%・708円)、一時金(0・1月分)ともに3年連続のプラス勧告となりました。一方で、最大の焦点であった扶養手当の「見直し」につき、配偶者にかかる手当を現行1万3000円から6500円に引き下げ、子どもにかかる手当を1万円としました。これら「見直し」は、労組との協議時間をまったく保障しないうちになされた、政府要請追随の一方的な不利益変更であり、断じて許すことができません。今後、処遇改善に逆行する勧告の、地方自治体、民間への波及を許さないたたかいが求められます。
大熊座
4年に1度のスポーツの祭典、リオ五輪が終わりました。アスリートたちの懸命な努力と支えてきた家族やコーチなど関係者に拍手を送りたいものです。パラリンピックは9月8日開幕します。体に障害があっても残された能力を生かして努力する姿にきっと感動することでしょう▼相模原での障害者施設で入所者19人を殺害、26人に重軽傷を負わせた事件の容疑者が「障害者は不幸を引き起こす」などと話していると報道されていますが、どんな理由があっても他人の命を奪うことは許されません。政治家の中にも、高齢者や障害者、女性、こどもなど生活弱者に対して、医療や介護など社会保障や教育を、自立自助、自己責任、受益者負担などとして平気な顔で耐えがたい負担を押しつける冷たい政治が目立ちます▼憲法13条では、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と定め、憲法25条では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と定めています。すると、安倍政権の存在は、「憲法違反」かも▼この秋のたたかいは、まず学習の強化と組織拡大に力を入れましょう。戦争法やTPP、原発や沖縄米軍基地建設、残業代ゼロ法や首切り自由化法など、安倍政権の悪政と対決し、職場から怒りの声をあげましょう。野党と市民が力を合わせれば、「金メダル」以上の勝利をもたらすでしょう。(こ)
2面
原水爆禁止世界大会報告集会/核兵器のない世界の扉を開こう
8月18日、原水爆禁止2016年世界大会もりおか地域報告会が県公会堂で開催され23人が参加しました。
はじめに岩手県代表団事務局長の菅野宗二・紫波原水協事務局長が世界大会の特徴などを報告しました。
続いて、民医連の遠藤さんが写真で全体の行動を紹介しました。医療生協の伊藤さんと眞山さんは「参院選結果と改憲阻止の展望」について、加藤さんは「核兵器と原発」の分科会について報告しました。また、「誰もが一度はヒロシマに足を運んで」、「若い人たちにヒバクシャの声を直接聞かせたい」、「ベトナムではヒバクシャ署名の目標を数百万として、すでに8万筆集めた」、「ヒバクシャの声を聴く会に参加した高校生が世界大会に参加してくれた」など代表団から感想や取り組みが報告されました。
参加者は、「ヒバクシャ国際署名」の推進など今後の運動について改めて意思統一しました。
日本母親大会in石川・福井に9300人/来年は岩手で開催
8月20〜21日、第62回日本母親大会in石川・福井が開催され、岩手県代表団は63人が参加しました。全体では2日間で9300人が参加しました。
初日の問題別集会は、石川県と福井県に分かれて行われました。
2日目は金沢市の石川県産業展示館で全体集会が行われました。来賓あいさつを石川県各種女性団体連絡協議会の常光利恵会長と石川県労連の桶間諭議長が行いました。
記念講演を島洋子・琉球新報社編集局政治部長が行い、沖縄をめぐる新基地建設強行とのたたかいなどを話しました。
第63回日本母親大会は来年の8月19・20日、岩手県盛岡市で開催されます。岩手県代表団は最後にステージに上がって岩手開催をアピールしました。
いわての介護を良くする会準備会「講演会&報告会」/介護保険改悪を許すな!
8月23日、いわての介護を良くする会準備会(事務局・盛岡医療生協)が呼びかけた「講演会&報告会」がアイーナで開催され、約130人が参加しました。 服部万里子・日本ケアマネジメント学会副理事長が「次期介護保険制度改定・報酬改定の動向と対応」と題して講演しました。続いて、特養ホーム施設長、福祉用具事業者、ケアマネージャー、介護支援専門員らが各々の立場から現状と問題点などを報告しました。
最後に準備会として、介護を良くする会の9月末発足をよびかけました。
つかみとろう新たな前進を/第28回全労連定期大会開催
7月28〜30日、全労連第28回定期大会が東京で開催されました。「つかみとろう!要求と組織の新たな前進、日本社会の未来 改憲と戦争する国づくりNO! 憲法が花ひらく国へ 格差と貧困を是正し、暮らしの底上げ、地域活性化」のスローガンのもと、今後2年間の運動方針と17秋季年末闘争方針、組織拡大新4カ年計画などが確認されました。討論は活発に行われ、いわて労連からは金野耕治議長が復興や戦争法廃止の運動、参議院選挙闘争などについて発言しました。役員選挙で、中村・いわて労連事務局長が幹事に新たに選出されました。
3面
盛岡労連
サマービアパーティで交流
8月5日、毎年恒例の盛岡労連「労働争議の仲間激励・サマービアパーティ」が盛岡市・木の花会館で開催され、約60人が参加しました。組合紹介や争議の訴えの他、歌声などでも交流を深めました。
盛岡市動物公園労働組合からの参加者は、「施設老朽化から改修・運営経費増のため、予算措置が困難であると、民営化の方針が出ている。PPPエージェント方式を導入する話が出ており、うまくいかなければ解散、閉園という話も。これからも市民に愛される動物園にするため、自治労連はじめ皆さんと一緒にがんばる」と訴えました。
戦争法廃止、憲法まもれの取り組み
終戦から71年目の8月をむかえました。安倍政権は戦争法の具体化として、南スーダンPKOの自衛隊部隊に「駆けつけ警護」、「宿営地共同防護」の任務を加えようとしています。
こうした動きに反対して、戦争法廃止・安倍政権早期退陣を求める運動は、引き続き各地で取り組まれています。
8月3日は、岩手県革新懇が呼びかけて盛岡市クロステラス前で「アベ政治を許さない」スタンディング宣伝が行われました。
9日には、平和憲法9条をまもる岩手の会による9の日宣伝が盛岡市大通で行われました。
15日には、母親大会県連絡会が呼びかけて、「赤紙配布」行動が盛岡市大通で行われました。召集令状を印刷した「赤紙」をチラシにして配布し、戦争法廃止の署名を呼びかけました。 続けて同じ場所で、県革新懇が呼びかけた「8・15戦争法ノー・アベ政治を許さないリレートーク行動」が行われました。各界からマイクを握り、医療労働者から医労連の吉田裕美子さんが訴えました。
19日には、いわて労連、県共同センター、ピースアクションいわてによる「戦争法廃止を求める8・19盛岡昼デモ」が行われ、「戦争法廃止、安倍政権は退陣せよ」と訴えました。2000万統一署名推進岩手の会も共催して、昼デモに参加しました。
TPP批准は許さない
8月29日、いわて食農ネットは盛岡市大通で「TPP批准反対」の署名宣伝を行いました。
猛暑の中、牛の着ぐるみを着て、「今国会での批准阻止」の新たな署名を訴えました。
署名に応じた20代の男性は「アメリカ大統領候補者は二人とも、国民の利益に反するとTPPに反対している。アメリカ国民の利益にならないなら、日本国民の利益にもならないのがTPPだと思う」と語りました。自分から進んで署名した高校生は「農業だけでなくジェネリーク薬品なども心配だ。学校では教わっていない。自分で調べた」と語りました。
秋の臨時国会では最大の焦点になります。11月15日には中央行動も予定されています。批准阻止のためにさらに反対の声を広げましょう。
消費税10%は中止せよ!
8月24日、消費税廃止県各界連絡会は、盛岡市大通で、イエローキャンペーン・消費税10%増税中止を求める署名宣伝を行いました。
安倍政権は参議院選挙が終わったとたんに、社会保障の大改悪を進めようとしています。税金は負担能力に応じて集めて、くらしや社会保障の充実に最優先で回していくことが必要です。
消費税廃止各界連絡会は、この秋の運動で、タックスヘイブンと消費税の学習会などを計画しています。職場・地域で、税の集め方、使い方を正面から取り上げて考えながら「消費税増税は必要ない」の声を広げて行きましょう。
原発なくても電気は足りてる!/イレブンアクション
8月10日、いわて労連が呼びかけて、イレブンアクション(なくせ原発署名宣伝行動)を盛岡市大通で行いました。
金野議長は「7月の参議院選挙で福島選挙区では、現職大臣を破って野党統一候補が勝利した。原発再稼働反対の福島県民の民意がはっきり示された。今年の夏は猛暑でも、電気は足りている。原発再稼働は必要ない。一刻も早く原発ゼロの社会を実現させよう」と訴えました。
署名に応えた70代の女性は「岩手でも野党統一候補が当選してよかった」と語っていきました。
NEWS フラッシュ
●盛岡労連一の日行動
8月1日、盛岡労連は岩手銀行本店前で毎月恒例となっている「一の日宣伝」を行いました。最低賃金の大幅な引き上げなどを訴えました。
●原水爆禁止ヒロシマデー、ナガサキデー
原水爆禁止岩手県協議会は、ヒロシマ、ナガサキの原爆投下に合わせて、8月6日と9日に署名宣伝を行いました。ナガサキデーでは原爆パネルを街頭に並べて展示しながら「ヒバクシャ国際署名」を訴えました。
●第46期岩手県労働委員会労働者委員を推薦
8月18日、いわて労連は、第46期岩手県労働委員会労働者委員の推薦書を県雇用対策労働室に提出しました。県労働委員会の5人の労働者委員は、いわて労連発足以来、毎回連合岩手が独占しています。今期、いわて労連加盟組合から、岩手医労連の五十嵐久美子書記長といわて生協労組の阿部恵子副委員長を推薦しています。今後、公正で公平な任命を求めて、要請などに取り組んでいきます。
主張
あぶない!アベ「働き方改革」を許すな!
秋の臨時国会は、9月26日招集されると報じられています。この秋の国会でのたたかいの焦点に、TPP批准阻止と合わせて労働法制大改悪阻止があります。安倍政権は「働き方改革」と称して労働者保護法制度の破壊をねらっています。
8月2日に発表された「働き方未来2035懇談会」報告書では「働き方の自立化」という未来像を打ち出して、「民法を基礎に」として、これまでの労働者保護制度を否定するような主張がされています。
また、労働政策審議会のあり方を検討する有識者会議を開始して、その解体・変質をねらっています。ILO原則にのっとって、労使対等に審議・決定する労働政策審議会について「ILOがどれだけえらいのか」などと座長が発言し、政労使の3者構成を否定するという有様です。
こうした主張をテコにしながら労働政策・働くルールを大企業本位に作り直そうというのがアベ「働き方改革」です。
首相は「長時間労働規制」など、労働者保護のようなことを口にしていますが、そもそも、安倍政権が提出している労働法制改悪法案は過労死促進と呼ばれる「残業代ゼロ法」など、大企業の都合優先の内容です。
一方、戦争法廃止から発展した野党共闘の到達点として15法案が共同提出されています。こちらの労働基準法改正法案の内容は「長時間労働の上限規制」です。しっかりと法律で労働者を保護する内容です。
いま、働くものにとってどちらが必要かは明瞭です。アベ「働き方改革」の危険な内容にだまされず、共同を広げて、安倍政権を追い詰めていきましょう。
4面
めも・あーつ181
オリンピックは村の怪力さん快足さんの技を楽しむ/「地球村の大運動会に」コラムニスト故天野祐吉さんのことば
開幕と同時にボルテージがいきなり上がったリオオリンピック。この時期、高校野球もあってTVチャンネルの切り替えに忙しい毎日を過ごした。半世紀前のオリンピック東京大会。 高2で部活が陸上の私は、イケメンのお兄さんが聖火を持って走る後を、20人近い女性伴走者の一人としてばたばたと走ったことを4年毎に思い出している。
リオ大会ではなんと言っても男子400mリレーの流れるようなバトンパスには感動した。毎日が感動の嵐だが、「金メダルとれなくてごめんなさい」と謝る日本選手、記者の心ないインタビューに、メダル至上主義がはびこる現実と、その重圧に苦しむ選手の姿は本当に痛ましい。
ブラジル初出場のバトミントン男子イゴル君(19歳)は、ファベーラ(スラム街)出身で父と二人三脚で勝ち取ったリオ大会への切符。「僕には出場できたことがメダルだ」と語った。 メダルは、全生活をかけて過酷なトレーニングを続けてきた選手たちのもの。あきらめず、最後の最後まで闘う姿こそメダルと言っても過言ではないだろう。
もうすぐパラリンピックが開幕する。1948年、英国南部の病院で脊髄損傷の治療の一環として始まった小さなアーチェリーの大会。「できなくなったことを嘆くよりも、やれることを」と脊髄損傷が死の病とされていた当時、治療にスポーツを取り入れた独人医師ルートビヒ・グッドマンはパラリンピックの父と呼ばれている。1964年の東京大会。最終聖火ランナーの坂井義則さんは、1945年8月6日広島県三次市生まれ。高校時代から陸上選手としての実力もあるが、戦争と人類初の被爆国の復興シンボルとして選ばれたことを2014年10月69歳で逝去時の新聞で知った。4年後の東京大会。震災からの復興と名付けられているが、福島原発の汚染水は増えている。(久保克子)
川 柳
マスコミは三猿みたいに黙り込み
巷多朗
野党共闘勝っても負けても育てられ
拓 庵
人権も民主主義も憎むアベ
野の一枝
新顔が改憲へ向けそろい踏み
ボケ老人
復興に冷めて復古に熱あげる
瀬川重哉
年金者組合盛岡支部