機関紙「いわて労連 2016年 1月号      

 

 

●迎春「新年のあいさつ」/岩手県労働組合連合会議長 金野耕治●新春特集/東日本大震災津波から5年、「今年はこんな年にしたい!」被災地からの声!/陸前高田市職員労働組合委員長 千葉 達/県医療局労働組合・高田支部 大浦宏子/いわて生協労働組合・けせんセンター分会 大舘 浩/日本民主青年同盟岩手県委員会 副委員長 藤倉了介(陸前高田市在住)/宮古民主商工会 鍬ケ崎 袰岩政子/大槌病院・山田病院建設中!/●戦争法廃止へ、宣伝・学習会、昼デモなど多彩に●いわて労連青年部第26回定期大会●いわて労連女性部第26回定期大会●LU歌声の夕べ●NEWS フラッシュ●小林節さん新春講演会/違憲の戦争法は放置できない/「民主主義と立憲主義を問う」●川柳



 

 


 


1面

迎  春

戦争法廃止、春闘勝利、憲法が活きる一年に
岩手県労働組合連合会議長  金 野 耕 治

 組合員の皆さん、あけましておめでとうございます。年末年始期間中も住民の命と暮らしを守るために勤務された皆さんには、心から感謝申し上げます。
 戦後70年、被爆70年の昨年は、安倍政権の戦争する国づくりや国民犠牲の悪政とたたかった一年でした。
 今年こそは、憲法を活かした平和と民主主義が花開き、労働者・国民本位の政治を取り戻す一年にしたいと思います。

大震災から5年、 住民本位の復興に全力を

 
さて、東日本大震災から5度目の年越しとなりました。災害公営住宅の建設や自力での住宅再建など被災地の復旧・復興も目に見えて進んでいる一方で、貧困や格差の拡大、新たなコミュニティづくりなどの課題も生まれています。引き続き、住民本位の復興を求め、全力をあげて取り組みを強化したいと思います。

憲法無視、 国民無視の安倍内閣を退陣に追い込もう

 昨年、安倍内閣は、通常国会を95日も延長し、国民の反対を押し切って安全保障関連法=戦争法を強行成立させました。歴代の内閣法制局長官や最高裁判所の元判事、9割の憲法学者が「戦争法は憲法違反」と断じているにも関わらずです。
 自衛官の命を犠牲にしてまでアメリカ言いなり、軍需産業・大企業の利益拡大に突き進む安倍首相は、海外での日本の立場を悪化させ、一般国民をもテロの脅威にさらすものです。
 「武力で平和は作れない。2度と戦争はごめんだ。どの子も殺させない。自分たちの未来は自分たちで守る」この思いを実現するには、戦争法を推進する安倍内閣を退陣させるとともに「戦争法廃止法案」を成立させなければなりません。

一点共闘から市民連合へ、 運動の飛躍的発展へ

 これまで私たちは、戦争法反対のみならず、原発再稼働反対、消費税10%増税中止、TPPからの撤退、労働法制改悪反対、社会保障拡充など課題毎の一点共闘を広げてきました。諸悪の根源は安倍内閣の「世界で一番企業が活躍しやすい国をめざす」ことにあります。
 安倍首相は、戦争法をごり押しした後、「一億総活躍社会」を掲げ、新三本の矢「GDP600兆円、介護離職ゼロ、希望出生率1・8」などと国民の目をそらそうとしています。また、消費税の軽減税率導入と低所得者対策、TPP対策などと、選挙目当てのバラマキ政策を打ち出しています。
 この策略に惑わされず、 国民の基本的人権、生存権、幸福追求権を守るためには、国民共通の利益を勝ち取るための市民連合が必要です。

大幅賃上げで景気回復を 春闘と参院選勝利を

 
資本金10億円以上の大企業の内部留保が300兆円に達したと報道されています。その一方で、実質賃金は△3・0%で物価上昇に追いつかず(厚労省)、年収200万円未満の労働者が1139万人(国税庁)、貯蓄なし世帯が30%(金融広報中央委員会)、非正規雇用が1962万人(総務省)と2014年の政府統計でも労働者の生活悪化が明らかです。今春闘は、月額2万円以上、時間額150円以上の賃上げを何としても勝ち取ることが必要です。春闘勝利と参院選勝利、労働組合の本気度が試されます。今年一年、みんなで力を合わせて奮闘しましょう。末筆ながら、皆さんのご健勝とご多幸をお祈りいたします。

2面

新春特集
東日本大震災津波から5年/「今年はこんな年にしたい!」/被災地からの声!

陸前高田市 職員労働組合
委員長 千葉 達
 
震災発生後の記憶として、家族の安否も不明のまま、陸前高田市職員が避難所等に泊まり込んで対応に当たっていたことを思い出します。庁舎すら流された私達には、当時時間外など記録する機械も時間もなく、結果として時間外は請求できませんでした。それだけでなく、2011年4月分の昇給もなく、未実施のまま5年を迎えようとしています。当時の状況で4月の昇給実施は難しいだろうと考えた私達の善意を、当局は合意もなく昇級未実施まで拡大し、さらに給与水準問題にすり替えるに至っては、呆れ返るばかりです。
 震災から5年を迎えようとする年頭にあたり、残してきたこの宿題の早期解決を図りたいと思っています。


県医療局労働組合 高田病院支部
 大浦 宏子
 
県立高田病院は、平成23年3月11日東日本大震災津波被害で全壊、2日後に自然環境コミュニティセンターに訪れた患者さんのために診療を開始し、7月25日仮設診療所で診療を開始、平成24年2月1日仮設病棟で41床の入院を再開しました。
高田病院職員は常に地域に根ざした、安心して受診できる病院でありたいと考えています。地域医療を守る会の方も、病院の再建に大きな力を与えてくれています。平成29年に病院が再建・開業されることを、地域住民の方が心待ちにしています。私たち組合員も、仲間を増やし自分たちの働きやすい職場を作るために、共に力を合わせて頑張って来ました。今後は夜間・休日の2次救急の廃止阻止を視野に住民と一緒に頑張りたいと思います。


いわて生協労働組合 けせんセンター分会
 大舘 浩
 
東日本大震災、当時を振り返ると今でもあの想像を絶する光景が眼に浮かびます。炊き出しや移動販売、気仙管内へのお見舞い活動など、今、自分達ができることをけせんセンター常勤者全員が一丸となって取り組んできました。大震災から5年目に入り、災害公営住宅や防災集団移転が進んできています。しかし、まだ仮設住宅での生活を続けていかなければならない方々もたくさんいます。また新居、公営住宅での生活に不安を抱える方々もたくさんいます。そのような方々にいわて生協としてなにができるかを組合員さんと一緒になって考え取り組んでいます。
 いわて生協では、「息の長い支援をしよう」と支援活動に取り組んでいます。コミュニティーづくり支援、生業づくり、買い物支援の3つの柱で取り組み、震災を風化させない「自分達にできる支援」に取り組んでいます。生活者の1人ひとりが抱える問題、そこに立ち返り、生活者と生協との関わり合いの中で、生活者の生の声に触れることで、いわて生協の果たすべき役割はおのずと見えてくると思います。
 2016年度の支援も震災のことを忘れず、いわて生協の事業と一体化しながら、コミュニティーを大事にし継続して取り組んでいきたいと思います。


日本民主青年同盟岩手県委員会

副委員長 藤倉 了介 (陸前高田市在住)
 
あけましておめでとうございます。今年は、民青が創立当初から掲げていた18歳選挙権がとうとう実現します。15歳から加盟できる民青の役割が一回り大きくなると感じています。
 「自分はどういう人間なのか」「どう生きたいのか」。そういう模索が強まり、自分の将来を選んでいくための青年期。安倍政権の横暴や、大震災津波後の複雑な環境で芽生えた青年たちの素朴な感覚を麻痺させずに、主権者として、社会の担い手として仲間と一緒に成長していける場を県内いたる所にジワリジワリと広げていきたいです。
 私自身も、自分や仲間が成長する瞬間をたくさん見つけられる一年にしたいと思います。


宮古民主商工会
 鍬ケ崎 袰岩 政子
 
東日本大震災から5年目の今年、やっと銭湯(七滝湯)の建築のメドが出ました。今年の3月ごろから、着工する段取りになり、夏ごろには再開できそうになりました。
 震災時には浴槽にいたお年寄りを退避させ、愛犬を連れて高台へ避難しました。私の七滝湯に津波が押し上げた小型タンカーがぶつかるときは「止まって!」と叫びましたが、巨大津波に鍬ケ崎の街は破壊しつくされました。
 あれから、近くのお寺を避難所に、そして仮設住宅で4年半、もう限界です。事業の銭湯も「鍬ケ崎もやいの会」7者(舫もやい―つながり共同で仕事するの意味)で「復興事業中小企業等グループによる施設・設備復旧整備補助事業(13次)」(事業費の3/4補助―消費税除く)に採択されました。
 ここまで来るのにとても長く感じます。何度か再建をあきらめようと思った時にも、全国の皆様からの力強い支援・激励が励みになりました。
 サンマ船の漁師さんからは「かあさん、早ぐ銭湯(フロ)やってけろー!」鍬ケ崎の皆さんからも「みんなして銭湯(ふろ)入りてーなー、いづになんのー!」と たびたび声をかけられます。
 私の住む鍬ケ崎地区では震災前138事業者のうち120事業者が被災いたしました。そのうち45業者は鍬ケ崎地区で事業再開、9事業者はほかの地区で再開しています。59事業者は廃業または方向性を決めれていません。こんな鍬ケ崎のにぎわいを取り戻すためにと7事業者で「グループ」をつくり動き出しました。全国の皆さんの支援にこたえ、再開まで頑張ってまいります。岩手県内、全国の皆様の被災直後から今に至るまでの「心温まるご支援」本当にありがとうございます。これからもご援助とご支援よろしくお願いいたします。
 漁港には銭湯は不可欠です。漁船員も地域のお年寄りも子供も集う「七滝湯」めざして、頑張ってまいります。どうぞ、宮古へおいでください。


大槌病院・山田病院建設中!
 
震災で被災した県立病院が再建中です。復興県民会議と県医労本部が建設中の県立山田病院と県立大槌病院を視察してきました。鉄筋コンクリート造2階建て延床面積は3528u、病床数50床の新病院は、まだ、2階部分の骨組みを組み立て中でした。復興事業の集中で遅れはあるものの、5月末の引き渡し予定、7〜9月に開院予定です。病院関係者は「医師確保が一番の問題だが、山田町役場や守る会の皆さんにもたくさんご協力を頂いています」とのこと。住民の皆さんの生活基盤の再建とともに地域の医療体制の充実が復興の希望となっています。将来的には消防や警察も近くに建設され、町の中心部とつながる新しい道路も計画されているとのことです。
 県立大槌病院も建設中です。現在は建物全体がシートに覆われていますが、年度内の完成をめざしています。鉄筋コンクリート造3階建て(1階は駐車場と玄関、バックヤード)、延床面積5353u、病床数50床の新病院の近くには、医師公舎(8世帯分)が完成し職員宿舎(30世帯分)も建設中です。やはり医師確保が課題とのことですが、地元の開業医から宿直応援の申し出も頂いているとのことで地域全体で新病院の完成を心待ちにしています。


3面

戦争法廃止へ、宣伝・学習会、/昼デモなど多彩に戦争法廃止へ向けて運動が継続しています。
 
12月8日には、県母親大会連絡会が「12・8武器はいらない、核もいらない全国母親連鎖行動」を盛岡市大通で行いました。「赤紙」チラシを配布しながら、戦争法廃止の署名を訴えました。
 12月12日には岩手県革新懇2015年度総会・なくそう戦争法!共同学習会が盛岡市勤労福祉会館で開催され、84人が参加しました。学習会では「戦争法とは」と題して上山信一弁護士が、「戦争法廃止の運動の展望を考える」として乾友行さん(全国革新懇事務室長)がお話しました。
 12月18日には、いわて労連、憲法改悪反対共同センターなどが呼びかけて、戦争法廃止を求める12・18盛岡昼デモ行進が行われ、約100人が参加して、「戦争法廃止の国民連合政府実現を」と訴えました。この日のデモには日本共産党の高橋ちづ子衆議院議員、いわぶち友参院比例候補らも駆けつけました。
 12月20日には、若者デモ実行委員会が盛岡市大通で戦争法反対宣伝・シール投票を行いました。一時間の行動でしたが「立憲主義を知っていますか」の問いには「知っている」14人、「知らない」35人でした。戦争法については、反対42人、賛成7人、わからない25人という結果でした。1月16日に行われる小林節さん新春講演会「民主主義と立憲主義を問う」のチラシを配布して参加も呼びかけました。
 この他、9条を守る岩手の会や共同センターなどによる街頭署名宣伝、久慈、釜石、両磐など県内各地域でも戦争法反対のスタンディング宣伝やアピール行進など多彩に取り組まれています。

青年部定期大会&青年クリスマスパーティ
 
12月12日、いわて労連青年部第26回定期大会が盛岡市サンビルで開催されました。新年度方針と体制が確立され、赤石広光・新青年部長(岩手自治労連)が選任されました。
 大会終了後、医大・木の花会館で、いわて青年集会実行委員会主催のクリスマスパーティが開催されました。いわて労連青年部をはじめ、岩手県商工団体連合会青年部協議会、民青同盟岩手県委員会などの青年45人が参加して、楽しく交流しました。

いわて労連女性部/第26回定期大会
 
12月5日、いわて労連女性部第26回定期大会が盛岡市サンビルで開催されました。
 新年度方針と体制が確立され、石川麻美・新女性部長(福祉労組)が選出されました。

LU/うたごえの夕べ
 
12月18日、いわてローカルユニオン第18回「うたごえの夕べ」が盛岡市・ロシア亭北斗で開催されました。
 45人が参加して、ロシア料理と歌を楽しみながら交流しました。

NEWS フラッシュ
 ●北上労連第19回定期大会
   
12月3日、北上労連第19回定期大会が開催されました。

 ●岩手県建設労働組合連合会第54回定期大会
   
12月6〜7日、岩手県建設労働組合連合会第54回定期大会が開催されました。

 ●全県一斉労働相談ホットライン
   
12月9日、全県一斉労働相談ホットラインが行われ、県内各地から相談が寄せられました。
 
 ●全労連東北ブロック総会
   
12月13日、全労連東北ブロック定期総会が福島市で行われました。ブロック議長に奥村榮・青森県労連議長、事務局長に越後屋建一・秋田県労連事務局長、副議長に                         

  金野耕治・いわて労連議長らが再任されました。



   川  柳
あかつきに足りてもんじゅに欠ける知恵
                           瀬川重哉
尊大に構えて政権無茶を言う
                           沢 庵 
秘密法共謀罪に次特高
                           巷多朗 
期せずして国民目覚めるアベ政治
                           野々一枝
 

年金者組合盛岡支部 

小林節さん新春講演会
違憲の戦争法は放置できない/「民主主義と立憲主義を問う」

日 時 2016年1月16日13時〜15時
会 場 サンビル7階大ホール
講 師 小林 節 氏
(法学者、弁護士、慶応大学名誉教授)
参加費 500円
主 催 小林節さん新春講演会実行委員会
(問い合わせ先 岩手県革新懇)   


4面

写真で見るいわて労連2015