機関紙「いわて労連 2021年9月号      

●核兵器は禁止を!原水爆金世界大会開催/オンライン世界大会に県内で360人が参加●日本政府は署名・批准を!岩手の会結成へ●最低賃金28円引き上げ〜/過去最高額の引き上げ。しかし東北では単独最下位に●大熊座●いのち守る緊急行動●選挙に行って政治を変えようB●菅首相への手紙●私が経験したこと●私の願い●要求実現へ、声をあげよう●投票に行って政治を変えよう●投票は2回期間前投票も●要求実現の選挙●2年連続のマイナス人勧 に怒り●平井事務局員が退職●総選挙2021/私たちの要求(全労連より)〜野党共闘で実現したい「私たちの要求」です●主張●「うちでつくろうナナコ飯!」(37)●川柳

核兵器は禁止を!/原水爆禁止世界大会開催

オンライン世界大会に県内で360人が参加

 
2021年原水爆禁止世界大会が、核兵器禁止条約が発効したもとで初めて開催されました。コロナ対策のためにオンライン開催となりました。県内各地で視聴会が行われ、県内では40会場・360人が国際会議やヒロシマデー集会、ナガサキデー集会などを視聴し、かつてない規模の参加となりました。

 核兵器禁止条約の発効が、世界の反核運動を励ましています。国際会議の声明では「核保有国や核依存国の政治を変えること」が不可欠と強調されました。来年の核不拡散条約(NPT)再検討会議や核兵器禁止条約の第1回締約国会議に向けて運動を強める時です。 いわて労連会議室は国際会議をはじめ、連日の関連企画の視聴会場になりました。メインとなったヒロシマデー集会は県内21市町村で視聴会が行われて296人が視聴しました。盛岡では中央公民館で視聴会が行われました。県原水協には「被爆者のために一刻も早く日本政府は核兵器禁止条約に署名・批准すべき」「近い会場で気軽に世界大会に参加できてよかった」などの感想が寄せられました。
 また、全国で「平和の波」行動が取り組まれ、盛岡では8月6日早朝に盛岡駅前で宣伝が行われました。

日本政府は署名・批准を!!/岩手の会結成へ
 
テーマ別集会では、岩手県原水協の菅野宗二事務局次長が発言しました。岩手で検討されている、日本政府に禁止条約の署名・批准を求める「署名をすすめる会」の結成準備について報告しました。9月12日に県教育会館・多目的ホールで「結成総会&署名キックオフ集会」が行われます。

最低賃金28円引き上げ/過去最高額の引き上げ。しかし東北では単独最下位に
 今年の最低賃金の引き上げ額が確定し、岩手地方は28円引き上げの821円となりました。全国では28円〜30円の引き上げとなりました。28円は現在の時間額表示制度になって以降、最高額の引き上げです。しかし、821円は全国で下から2番目で、東北では単独最下位になってしまいました。焦点だった地域間格差も、東京との格差は一円も縮小されませんでした。
 8月6日の岩手地方最低賃金審議会で821円の答申が出されました。これに対していわて労連、岩手医労連、ローカルユニオン、いわて生協労組が異議申出を行いました。8月24日の審議会で異議申出について協議されましたが、答申通りの821円が確定しました。
 今後、最低賃金をめぐってはランク制度の見直しなどが協議されることになっています。全労連は全国一律最低賃金制度の確立に向けて運動を進めてきました。県内でも更に「最賃1500円」「全国一律最低賃金制度確立」「中小企業支援制度の抜本拡充」実現に向けて運動を強めましょう。

大熊座
 
長雨や台風など季節の移り変わりを感じています。稲穂は黄金色に染まりつつ頭を垂れ豊作の兆しが見えています。なのに新型コロナウイルス感染は、収まるどころか緊急事態宣言が21都道府県、まん延防止等重点措置が12県に広がっています。岩手も連日のように集団感染が報告され、県独自の緊急事態宣言が8月12日から出されています▼いわて労連の第33回定期大会も感染防止対策のために歴史上初となる「書面大会」に切り替えました。議案提案や質疑・討論、議案表決や役員選挙が全て書面でのやり取りとなるため、意思統一がなかなか困難かと思いますが、時間をかけてじっくり取り組んで行きたいと思います。単産・地域労連の皆さんのご協力をよろしくお願いいたします▼政府の感染症対策分科会の尾見茂会長は、東京オリ・パラの開催強行が国民に自粛を求める感染対策と矛盾したメッセージだった、と苦言を呈し、また、IOCのバッハ会長が再来日したことに、「なぜオンラインでできないのか」と批判しました。いま危惧されているのは、新学期が始まる学校現場での集団感染、家庭感染です。ところが政府は、パラリンピックの学校集団観戦は、それぞれの判断で実施して構わないとの見解。つまり、これも自己責任か▼「菅首相への手紙」を皆さん書きましたか。私は、職場のイベントがなくなって円滑な人間関係が困難なこと、国民に我慢を押しつけながら国会議員や官僚が夜の飲食を伴う会合をしている矛盾、こどもたちの体験や記憶が空白になることへの代償を求めました。たった一つのお願いは、もちろん一日も早い退陣です。(こ)


2面
いのち守る緊急行動/選挙に行って政治を変えようB

 
65万筆を超えて国会提出された「いのち署名」を審議未了廃案とした政府に対して、「いのち守る緊急行動」が提起され、宣伝行動やツイッターデモ、「菅首相への手紙」が各地で取り組まれています。県内では8月24日に宣伝等が行われました。「菅首相への手紙」も職場・地域から寄せられています。

コロナ感染者が急増して緊急事態宣言が発せられている中で東京オリンピックの開催が強行されました。その後も全国で感染が拡大し続けています。県内でも8月12日に岩手県独自の緊急事態宣言が発せられています。
 8月24日、盛岡市大通で「いのち守る緊急行動」盛岡スタンディングが行われました。消費税廃止各界連と共同で取り組まれました。いわて労連、県社保協、岩商連、新婦人の会などから約20人が参加しました。宣伝カーも同時に運行して「五輪よりもコロナ対策を」と訴えました。
 9月5日は全国一斉行動日です。県内各地域でスタンディング宣伝などが取り組まれます。盛岡では南イオン前で13時からスタンディングを行います。

菅首相への手紙
 「菅首相への手紙」が職場・地域から寄せられています。その一部を紹介します。

私が経験したこと
●8月9日に抗原検査陽性、10日余り入院、肺炎併発、あと一歩でやばかった。入院期間中、耳に入ることは腹の立つことばかり。重ねて医療従事者の弛まぬ努力と優しさは絶対に忘れない。この文書を書くだけでも息切れする。(会社員・40歳)
●コロナ病棟で勤務しました。防護服を着ながらの清掃作業やPCR検査など、気力、体力もかなり疲れました。(匿名)
●コロナ禍の中、妊娠・出産、育児休暇を終えました。一人の出産、どこへも行けない育休、不安でいっぱい、ストレスいっぱいなのに、はき出すことも、発散させることも出来ませんでした。ここにいきたいな・・・という息子の小さな願いを叶えたいです。水族館でも動物園でも。(看護師・20歳)
●他県に住んでいる娘がコロナに感染。自宅療養だったようですが、いつ具合が悪くなるか心配な日々を過ごしました。独身だからこそ入院させてほしかった。
(50代)
●コロナ病棟も一般病棟も人員が足りず、毎日残業しています。「医療崩壊の危惧」ではなくすでに医療崩壊しています。
(看護師・20代)
●子どもが通っている保育園でコロナ感染者が出て、PCR検査と自宅待機の期間がありました。復帰後、その間の補償として厚生労働省の両立支援等助成金(新型コロナウイルス感染症対応特例)の給付申請を行おうとしましたが、適用要件が細かく、大企業など、条件が整っている環境の人しか使うことができない内容となっており、申請すらできませんでした。どんな状況の人でも補償を受けられる制度を求めます。
(団体職員・30代)
●2020年4月、肺がんで闘病中の父がなくなりました。面会は家族一人に制限され、父の兄弟たちは関東方面に住んでいるため、いまだに墓参りすらできません。葬式や法要など、いったいいつになったら親族がそろってできるのでしょうか。今の状況なら親族がそろわないうちに、また誰かを失うのではないか心配です。(公務員・40代)
●いつ終わるのかわからない状況に悲観して声を上げて泣いている看護士を見た。
(医療・40代)
●コロナ病棟に異動が決まった時、「もしかしたら自分が感染していまい、知らぬ間に家族や大切な人に感染させてしまうのではないか」という思いがあり、とても怖かったです。「コロナ病棟で勤務している人」という扱いを受け、悲しい思いをしました。感染面を考え、友人や祖母等にも会えず、とても悲しい思いをしました。感染者数は増加の傾向にあり、いつ落ち着くものなのか想像もつきません。病院体制も辛いものがあり、疲労が癒える間もなく働きに出ることもあります。どうか人の流れを緩和できるような対策をとっていただきたいです。
(看護師・20代)
●私は昨年11月より約半年コロナ病棟に勤務してました。コロナ病棟の入退院は激しく、スタッフの心労、肉体疲労も限界です。ECMOをつけている人だけが重症とはおかしいです。コロナ病棟担当していた時、皆口々に言ってました。岩手は、独自の緊急事態宣言が出たにもかかわらず、なかなか治療が受けられない状況になりかねないです。全国の医療従事者が倒れるし、医療がひっ迫状況です。日本で医療難民が出るのは時間の問題です。
(看護師・40代)
●夜勤(当直)で発熱患者さんが続くと、医師1名、看護師1名の体制では受け入れに限界がある。ましてや救急で重症であればある程、対応するスタッフが自分の身を守る余裕がなく、完ぺきな自己防衛策がとれないまま、対応していることもある。発熱患者がいる夜勤と、いなかった夜勤とでは疲労感もかなり違うし、次の日PCR検査の結果が判明するまで、どこにも出ずに連絡を待っていたりするなど、精神的にも疲へいしている日々です。
●ダブルワークをしています。病院で仕事をしているために、感染の心配がある時はもう一つの仕事先を休まなければいけないことが数回ありました。一度休みになると、2週間〜一ヶ月は休むことになるので、収入は激減し、生きていくのが大変です。(匿名)

私の願い
●直ちに総辞職、或いは解散総選挙、パラリンピックやると誰かが亡くなるぞ。これ以上犠牲者を出すな無能(会社員・40代)
●全く国民のためにならない権力に固執せず、自宅療養で亡くなる方やご家族の無念さ、いのちの重さを真剣に心から考えて責任を取って総理大臣を辞めて下さい。(匿名)
●昨年は「実家に帰り、お盆のお墓参り」などとてもできませんでした。今年は改善されているものと期待し、まじめに感染防止対策に取り組んできました。もはや人災です。退陣を求めます。(団体職員・50代)
●脅しや狡猾なやり方で国民のモラル低下を先導するのをやめて下さい。国民の代表者として民主的に物事を進めてください。日本の次世代を担う子どもたちに、あなた方の姿勢を見せられません。
(団体職員・30代)


3面

要求実現へ、声をあげよう/投票に行って政治を変えよう
 
コロナ感染者が拡大し、医療崩壊で「自宅療養」を余儀なくされている中で、菅政権の支持率は急落しています。総選挙は10月の投開票の見通しが報じられています。政権交代を実現し、私たちの要求を実現させる最大のチャンスです。皆で投票所に足を運んで、政治を変えて要求実現に向かって進んでいきましょう。

 総選挙は衆議院の国会議員465人(小選挙区289、 比例代表176)の全員を選ぶ選挙です。10月21日が任期満了日ですが「10月5日公示、10月17日投票」の見通しが報じられています。

投票は2回/期日前投票も
 
投票は2回行います。「小選挙区」(岩手は3つの区に分かれています)と、「比例代表」のそれぞれに投票します。
 投票日前でも「期日前投票」の制度を活用することができます。必ず投票所に足を運びましょう。

要求実現の選挙
 
私たちの職場や暮らしをめぐって様々な要求があります。労働組合で交渉して実現できることだけでなく、社会を変え、政治を変えることが必要です。「政治」というと、「私たちの生活と直接関係ない」という声が聞かれることがあります。しかし実際には政治は私たちの「生活」そのものといえます。選挙は、主権者として、どんな政治を行わせるかを選び取る大切な機会です。
 職場でも話し合って、要求実現のために「必ず投票に行こう」と声を掛け合いましょう。

2年連続のマイナス人勧に怒り
 8月10日、人事院は月例給等については改定を見送り、一時金については、2年連続で削減勧告を行いました。コロナ禍の下で、国民の命を守るために日夜を分かたず奮闘してきた公務労働者の役割を顧みないマイナス勧告に対して、いわて労連と県公務共闘は怒りの声明を発表しました。
 今後、県人事委員会への要請署名に取り組みます。

平井事務局員が退職
 
2006年12月からいわて労連事務局員として勤務いただいてきた平井正史さんが、8月末で退職しました。

総選挙2021
私たちの要求(全労連方針より)/野党共闘で実現したい「私たちの要求」です
@憲法9条改憲に反対し、憲法の理念を社会のすみずみにいきわらたせること。
Aコロナパンデミックが収束するまで、生活、雇用、生業を守るため、雇用調整助成金や雇用保険、持続化給付金など国民本位のコロナ対策を拡充し継続すること。
B貧困と格差を解消するため、最低賃金の全国一律制度を創設し、時給1500円をめざすこと。そのために必要な中小企業支援策を充実すること。消費税5%に減税すること。
C原発ゼロ基本法を制定し、再生可能エネルギーへの転換を図ること。
D軍事費を削減し、コロナ対策にまわすこと。辺野古の新基地建設を中止すること。日米地位協定を抜本的に改定すること。核兵器禁止条約を直ちに批准すること。
Eフリーランスなど雇用によらない働き方を規制し、正規雇用が当たり前の社会を実現すること。
F医療・公衆衛生体制を国の責任で拡充し、年金や医療、介護、福祉などの社会保障制度を改善すること。
Gジェンダー平等にもとづき、誰もが尊重される社会を実現すること。

主張
軍事費を削ってコロナ対策へ/いのち守る政府を
 新型コロナ感染が県内でもいっきに広がり、県独自の緊急事態宣言が出される事態になっています。首都圏では入院もできず「自宅療養」を余儀なくされ、充分な治療も受けられないまま命を落とすケースも報じられています。政府は野党の求めに応じて臨時国会を開いてコロナ対策に力を注ぐべきです。
 そんな中で、防衛省の22年度軍事費予算の概算要求が決められたそうです。5兆4797億円で、過去2番目の規模とのこと。概算要求としては昨年をわずかに下回っていますが、21年度の当初予算と比べると1374億円増えているそうです。日本の軍事費予算は2013年度から毎年増え続けてきました。21年度予算も含めて9年連続して前年を上回ってきました。昨年まで7年連続で過去最大を更新し続けてきました。
沖縄県名護市辺野古の新基地建設など米軍再編経費や、長距離巡航ミサイルを搭載可能にするF15戦闘機の改修費などは金額を示さない「事項要求」となっていて、これらの額が確定すれば要求額はさらに増える可能性があります。額だけでなく、「敵基地攻撃能力」の保有につながる兵器の導入・開発が含まれている問題も指摘されています。
 全労連は政府に対して「保健所の拡充措置、医師・看護師・保健師の増員計画を示すこと」、「公立・公的病院の再編・総合計画を撤回し、拡充を図る計画を示すこと」を求めて要請しましたが、政府は姿勢を変えませんでした。いのちよりもオリンピック、医療よりも軍事費。こんな政権をいつまでも続けさせる訳にはいかないのではないでしょうか。「いのち守る緊急行動」を職場・地域で「いのち守る政府を」と世論を広げ、総選挙につないでいきましょう。 


4面

うちでつくろうナナコ飯!第37回
 
皆さんこんにちは!本当に暑い夏でしたね。立川はまだ残暑が続いておりますが、岩手はそろそろ肌寒い日もあったりするのでしょうか…。急な寒暖差で体調を崩されませんように、しっかり食べてしっかり寝る!を大事になさってくださいね!今月は夏の終わりと秋の初まりを感じる二品のご紹介です。

*冬瓜とベーコンの炒め煮*
〈材料〉…冬瓜片手分くらい・ベーコン三枚程度・サラダ油大さじ1
〈調味液〉…白だし50cc・水適量
〈仕上げ〉…ブラックペッパー
〈作り方〉
@冬瓜は厚めに皮を剥いてワタを取り、5ミリ程度の薄切りにする。ベーコンを好みの大きさに切る。
Aフライパンにサラダ油をひき、@を加えて炒める。油が回ったら、白だしを加え、水を全体の半分が浸かる程度加える。
B蓋をして蒸し煮する。たまに箸などで上下を返しながら、全体が透明になるまで炒め煮する。
C火が通ったら味を見て、必要なら塩などで調整する。皿に盛り付け、ブラックペッパーをひいて召し上がれ!

*簡単揚げない大学芋*
〈材料〉…さつまいも500gくらい(だいたい二本分)・サラダ油適量
〈調味液〉…しょう油大さじ1・砂糖大さじ2
〈作り方〉
@さつまいもは乱切りしておく。(水につけずにそのまま使います)
Aフライパンに1センチほどの油を入れ、@を入れて中弱火で炊き交ぜながら揚げ焼きにする。
B菜箸が通るようになったら、蓋などで抑えながら余分な油を別容器に注ぎ切る。
Cしょう油と砂糖を加えてフライパンを全体を煽るように混ぜる。飴状になってくるのでさつまいもの周りに纏わせる。
D皿に盛ってごまを振りかけて出来上がり!

 
簡単でシンプルながら、あっという間になくなっちゃいますよ!ぜひ作ってみてくださいね

*レシピ提供…橋ナナコ
 ◆オンラインショップ
https://hanananako.thebase.in/

ひろば
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