機関紙「いわて労連 2021年8月号      

●コロナ禍でこそ最低賃金大幅引き上げを/中賃目安は28円〜格差是正へ上乗せを●地域格差なくして大幅引き上げを●ーカルユニオンを大きくしよう!/LU定期大会●大熊座●医師看護師増やせ!/いのち守る緊急行動/職場・地域で立ち上がろう●政治を変える〜私たちの要求/オリンピックよりコロナ対策を/投票に行って政治を変えようA/@憲法を守り立憲主義回復をAいのち・暮らしを守る政治の実現B安全安心な地域社会をC平和憲法を守り生かす政治を●主張●市民の野党の共闘こそ/剣客新墾が総会●引き続き職場の声をお寄せ下さい●「うちでつくろうナナコ飯!」(36)●川柳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロナ禍でこそ最低賃金大幅引き上げを/中賃目安は28円格差是正へ上乗せを
 コロナ禍でこそ最低賃金の大幅な引き上げで暮らしを守り、地域経済を活性化することが大事です。7月16日に中央最低賃金審議会が全国28円引き上げの目安を答申し、28日の第3回岩手地方最低賃金審議会で伝達されました。いわて労連は最賃引き上げ、格差解消、中小企支援拡充を求める意見書を提出しました。

 いわて労連といわてパート臨時労組連絡会は、7月14日に記者会見を行って最低賃金の大幅な引き上げを訴えました。21年最賃生活体験の結果を発表し、エッセンシャルワーカー(医療、福祉、小売)の職場実態告発、大学生の困窮実態を伝えました。
 その後、昼休み宣伝を行い、14時からは2時間半のロングラン宣伝を盛岡市大通、野村証券前で行いました。医労連、自治労連、県国公、農協労組、福祉労組、いわて生協労組、郵政ユニオン、ローカルユニオン、盛岡労連などが参加しました。最賃引き上げ署名や、シールアンケートを呼びかけ、多くの市民が応じました。
 7月25日には学生支援の第3回食料配布(ほっとまんぷくプロジェクト)が実施され、青年ユニオンが最賃署名とシール投票を来場した大学生に訴えました。

地域格差なくして大幅引き上げを
 
7月29日には岩手地方最賃審議会の専門部会が行われました。岩手県社会福祉労組の柴田亜希子書記次長が意見陳述を行いました。「最賃に近い賃金水準で働く福祉保育職員が将来に不安を抱かずに長く仕事を続けられるよう、大幅な引き上げを」と訴えました。
 昨年はコロナ禍を理由に政府・財界の意向を受けて、中央最賃審議会は目安を示しませんでした。結果として0〜3円という低額の結果に押さえ込まれました。今年の全国28円という目安は現行制度になってから最高額ですが、その通り引き上げられても全国平均は930円に過ぎません。東京は21日に28円の引き上げを答申しましたので、岩手で28円引き上げても東京との格差は一円も縮小されません。目安を上回る改善が求められます。
 岩手の審議会は8月5日の専門部会で答申案を決めて、6日の本審で答申を出す予定で審議が進んでおり、注目されます。


ローカルユニオンを大きくしよう!/LU定期大会
 
7月22日、いわてローカルユニオン第24回定期大会が開催されました。
 今年度は新分会の山善鉄工の仲間を新たに迎えたことや、青年ユニオンが休業支援金制度を知らせる取り組みを進めるなど活発に活動してきたのが特徴でした。方針では改訂した組合員テキストを活用した学習運動などが提起されました。
 討論では「労働相談が寄せられて対応してきた」(けせん支部)、「職場の改善のために取り組み中だ」(山善鉄工分会)など発言が行われて方針が補強されました。
 役員体制も確立され、「ローカルユニオンを大きくしよう」と意思統一しました。執行委員長・新田英則(再)、書記長・小野寺蕗子(新)が選出されました。

大熊座
 今から76年前の8月6日と9日、広島・長崎に2つの原子爆弾が投下され、20万人を超える市民が犠牲となりました。また、沖縄の地上戦では12万人が犠牲となり、東京大空襲をはじめ日本各地が焼け野原となり、8月15日にやっと無惨な戦争が終わりました▼絶対主義的天皇制の下で、日本は、石油資源を手に入れようと東南アジア諸国に侵略したため、米英諸国から経済制裁を受けました。この制裁を突破しようと日独伊三国同盟を組んで米英の連合国を相手に戦争を起こしました。しかし、イタリア・ドイツに続いて、ついに日本も降伏し、4年間にわたった戦争は大きな犠牲を払って無条件降伏で敗戦となりました▼なぜ、戦争が止められなかったか。当時、戦争反対を訴える労働組合も政党も団体も既に解散させられ、最高刑は死刑とされた治安維持法によって特高警察が目を光らせ、政府や軍に異を唱える者は、非国民として逮捕され、拷問を受け、投獄される暗黒の時代となっていたからです。お国のため、天皇のために命を捧げるのが国民の義務と叩き込まれ、思想も教育も文化も経済も議会も報道も世の中すべて戦争一色に染められていました▼未来ある若者が「お国のため」という大義名分で赤紙一枚で強制動員され、人を殺す訓練を繰り返し、最後には自分の命さえも差し出すことを強制され、拒否することも、逃げることもできず、自由も奪われ、生き延びることが許されなかった時代▼わずか76年前までの日本の姿です。この悲劇を二度と繰り返さないために、私たちは憲法9条守れ、核兵器をなくせと声を上げ続けています。(こ)


2面
医師・看護師増やせ!/いのち守る緊急行動
 コロナ禍で、医療提供体制の拡充などを求めた「いのち署名」が全国で取り組まれ、65万筆超える署名が通常国会に提出されました。135人の国会議員が紹介議員になりました。県内でも2万筆を超える署名が集約されました。しかし国会では審議未了で廃案とされ、「高齢者医療費2倍化」や「病床削減推進」の法律が成立してしまいました。これ以上黙ってはいられません。いのち守る緊急行動に立ち上がりましょう。

 「いのち守れ」という国民の願いを踏みにじる政府の姿勢に対して、全労連、社保協、医団連は8月24日に政府に対して要請書を提出し、「いのち守る緊急行動」を提起しています。政府への要請項目は@「保健所の拡充設置と、医師・看護師・介護職・保健師等の増員について、その必要性を認め、拡充・増員計画を示すこと」、A「公立・公的病院の再編統合『再検証リスト』を撤回し、感染病床の拡充設置と、その大半を担う公立・公的病院の拡充計画を示すこと」で、8月6日までに回答を求めています。この要求の実現に向けて9月5日を山場に全国一斉行動を呼びかけています。

職場・地域で立ち上がろう
 緊急行動の提起では、パラリンピック開会日の8月24日に宣伝行動、そして9月5日にスタンディングや集会、パレードなどを全国一斉に行ってアピールします。「菅首相への手紙 コロナ禍 私が経験したこと」のチラシを職場・地域で配布して声を募集しています。SNSでも広げます。
 いわて労連は盛岡地域での集会とパレードを企画します。同時に、県内全地域でも宣伝やスタンディング、デモ行進など地域住民に見える取り組みを行いましょう。「菅首相への手紙」も広く呼びかけましょう。
 いま、コロナ禍で緊急事態宣言が出されているもとで東京オリンピックが開催され、感染者は増え続けています。緊急事態宣言も拡大しています。国民のいのちよりもオリンピックを優先させる政府の姿勢を変えさせ、保健所増やせ、医師・看護師増やせの世論を大きく拡げていきましょう。


政治を変える私たちの要求実現へ/選挙に行って政治を変えよう A
オリンピックよりもコロナ対策を!
 
7月4日の東京都議会議員選挙では、都民ファーストの会が議席を大幅に減らし、自民党が議席を増やしましたが自公でも過半数に届きませんでした。一方、オリンピック「中止」・「延期」を正面から訴えた立憲民主党と共産党が議席を伸ばしました。
 この秋には総選挙が必ず行われます。安倍・菅政治の流れを転換させるチャンスの選挙です。前回の機関紙7月号では、「この4年間の安倍・菅政権の特徴」を振りかえりました。今回は「私たちの実現したい要求」の特集です。
 この間私たちが求めてきた要求を実現するためには、政治の転換が必要です。

@ 憲法を守り、立憲主義回復を
(職場からの声)
●「安保法制も特定秘密保護法も共謀罪も、憲法違反が指摘され、国民の多くが反対する法案を強行採決させてきた。こんな政治は早く終わらせないと」
●「『そんたく』とか、『改ざん』・『隠蔽』・『私物化』など、民主主義をおびやかしてきた政府。そんな安倍政権を菅首相は支えてきた人。もう変わってほしい」
●「『国民投票法改正』なんて今やってる場合じゃない」


 ◆私たちの要求
 
日本国憲法は、日本国民が政府に対して発する命令です。その憲法を守れない政府に、これ以上政治は任せられません。次のような政治を実現させることが必要です。
〇日本国憲法を守り、いか す政治の実現を。
〇立憲主義・民主主義を守れ。
〇憲法違反の「集団的自衛権容認」の閣議決定は撤回を。
〇違憲の安保法制、特定秘密保護法、共謀罪は廃止を。

A いのち・暮らしを守る政治の実現
(職場からの声)
●「保健所を減らしてきた上に、コロナ前から医師・看護師不足は深刻」
●「自治体リストラ、公務員減らしを続けてきたことがコロナ禍を深刻にしたことは明らか」
●「福祉保育職員の待遇改善、増員は進んでない」
●「コロナ対策が弱い。休業や営業補償をしっかりして」
●「最賃の地域格差を大きく広げてきた。最賃は一律にすべき。中小企業への支援が弱すぎる」

 ◆私たちの要求
 
コロナ禍でも「自助」を強調する政治姿勢は転換を。次のような政治への転換で、私たちの要求を実現させましょう。
〇医師・看護師を増やせ!
 保健所増やせ!
〇公立公的病院の再編を止めて拡充を。
〇貧困と格差を解消して。
〇最低賃金1500円以上、全国一律最低賃金制度実現へ。中小企業支援の抜本的強化を。
〇均等待遇実現、労働法制規制強化を

B 安全安心な地域社会を
(職場からの声)
●「ジェンダーギャップ指数120位なんてひどい」
●「原発政策にしがみつく政府の方針転嫁が必要。『汚染水海洋放出』は許せない!」
●「自由貿易協定締結などで、地域農業はこのままでは持続できない。農政の転換を」
●「コロナ禍で消費税を減税している国が61ヵ国あるそうです。日本も今すぐ減税して」

 ◆私たちの要求
 
安倍・菅政権になってからジェンダー平等の遅れが顕著になっています。政府の原発事故汚染水の海洋放出方針は東北全体の漁民の苦しみを無視したものです。
〇ジェンダー平等、誰もが尊重される社会を
〇被災者本位の復興と防災対策の拡充
〇原発ゼロ、自然エネルギー推進を
〇原発事故汚染水海洋放出反対
〇地域農業を守る施策の推進を
〇不公平税制である消費税は廃止を。せめて今すぐ5%に減税を。

C 平和憲法を守り生かす政治を
(職場からの声)
●「二度と戦争しないと決意した日本国憲法前文や9条を持っていることは私たちの誇りだ。これを生かす政治こそ必要」
●「軍事費をどんどん増大させているのが恐ろしい。軍事費は削ってコロナ対策に」
●「核兵器禁止条約は私たち日本国民の願いそのものだ。署名・批准しないなど信じられない。政府の姿勢を変えるときだ」

 ◆私たちの要求
 
自民党は平和憲法9条を含む憲法改正を狙っています。軍事費は毎年増大され過去最高額を更新し続け、コロナ禍でも増大させています。「敵基地攻撃能力保有」や、自衛隊と米軍との一体化をますます進めようとしています。こうした流れを切り替えて、平和憲法をしっかり守り、その理念生かすことがますます大事になっています。
 そして核兵器禁止条約に署名し、核兵器廃絶の先頭に立つ政府を実現することはヒバクシャの悲願であり、多くの日本国民の願いでもあります。今度の選挙で政府の姿勢を変えさせることが必要です。
 「軍事費を削ってコロナ対策に回せ!」というのが多くの国民の願いです。

〇平和憲法9条改憲に反対し、憲法の理念を活かした政治の実現を
〇軍事費を削減してコロナ対策にまわせ
〇沖縄辺野古の米軍新基地建設は中止を
〇軍事同盟である「日米安全保障条約」を廃棄して中立の日本を。せめて日米地位協定は今すぐ改訂を。
〇核兵器禁止条約に署名・批准を

市民と野党の共闘でこそ!/県革新懇が総会
 2015年9月に憲法違反の「戦争法=安保法制」が強行成立させられたことから、この廃止を実現させるために市民と野党の共闘が発展してきました。立憲主義、民主主義を守るため、要求の一致点で共闘を広げてきました。
 岩手県革新懇は7月24日に年次総会を開催しました。岩手の野党共闘の参議院議員、木戸口英司・横沢たかのり議員(立憲民主党)が参加してあいさつし、国会での取り組みを報告しました。
 また、日本共産党のいわぶち友参議院議員が「革新懇運動の今日的意義」について講演しました。

引き続き職場の声をお寄せ下さい
 職場でも「私たちの要求と政治」について討議していきましょう。
 「菅首相への手紙 コロナ禍私が経験したこと」を職場・地域からお寄せ下さい。また、「政府にいいたいこと」を引き続き募集します。次号でご紹介していきます。

主張
オリンピックよりもコロナ対策を
 緊急事態宣言下で東京オリンピックが開催されています。同時に、新型コロナ感染も拡大し続けています。7月末には政府は緊急事態宣言を東京と沖縄に加えて、埼玉、千葉、神奈川、大阪に拡大することを決めました。そして北海道、石川、京都には、まん延防止等重点措置を適用します。全国の1日あたりの新規感染者数は1万人を突破して、東京では4千人を超えています。感染力の高い「デルタ株」が広がっていると言われます。県内でも感染者は増え続け、7月末には累計で2000人を超えています。
 7月はじめの東京都議選では「オリンピックよりもコロナ対策を」という主張が大きく広がりました。警鐘が大きく鳴らされていたにもかかわらず、オリンピックは強行されています。感染が拡大するもとで菅首相は、「人流が減っている」、「ワクチン接種で高齢者の感染が抑えられている」という楽観論をふりまいてきました。いまからでもオリンピックは中止にして、ワクチン接種、大規模な検査、休業を要請する事業者への十分な補償、医療機関への支援などに力を注ぐべきです。
 全労連等がよびかける「いのち守る緊急行動」では、「菅首相への手紙 コロナ禍 私が経験したこと」を広げる行動を提起しています。1人ひとりの思いを書いて、政府に届けていきましょう。SNSなどでも声を広げていきます。そして、9月5日の全国いっせい行動に、岩手からも結集していきます。国民のいのちよりもオリンピックを優先させる政府の姿勢を改めさせていきましょう。そして、医療・介護・保健所の削減を止めさせて、拡充させる方向へ転換させていきましょう。


4面

うちでつくろうナナコ飯! 第36回
 
暑い!異様に暑い!!熱中症になる知り合いが増えています…皆様どうぞご安全にお過ごしくださいね。
今回はつながる台所Hanaでも人気メニューだった、玉ねぎの豚肉巻きをご紹介します!ポン酢で味付けするのでさっぱりと頂けますよ。
*さっぱりとろみの 玉ねぎ豚肉巻き*
〈材料〉…玉ねぎ大1個・豚ロース薄切り(生姜焼き用が使いやすい)12枚・塩コショウ適量・片栗粉適量・ごま油
〈調味液〉…料理酒大さじ3・みりん大さじ2・ポン酢100cc
〈仕上げ〉…白ごま少々

〈作り方〉
@玉ねぎの皮を剥き、12等分のくし形に切る。バラバラにならないよう、根元をとらないのがコツ。
A豚ロースをバットなどに広げ、薄く塩コショウをしたら、@の玉ねぎをくるりと巻く。これを12個作る。
BA一個ずつに片栗粉をまぶしつける。
Cフライパンにごま油を引いて、中火にかけ、Bを並べて焼く。ひっくり返して両面に焼き目が付いたら、調味液を全て加えて蓋をし、蒸し焼きにする。
D時折ふたを開けてひっくり返し、汁が煮詰まってきたら絡める。勝手にとろみがつきます。
Eお皿に盛りつけて、白ごまを振ったら出来上がり!

※きゅうりやトマト、レタス、人参サラダなどを添えて、栄養も彩りも良く、食欲をそそる一皿にしてみてくださいね!!

*レシピ提供…橋ナナコ
 ◆オンラインショップ
https://hanananako.thebase.in/

   川  柳


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守銭奴がとにかくやりたい五輪祭          巷多朗

後手後手を先手先手と言い訳す           凡  夫

強行の先に一億総懺悔                瀬川重哉

まん丸い月に思わず手を合わせ           拓  庵


年金者組合盛岡支部