いわて労連第21回定期大会

大 会 宣 言

 

 いわて労連は、第21回定期大会を開催し、この1年間の取り組みや県民との共同のたたかいを総括するとともに、結成20周年を迎えて、これまでの歴史の積み重ねを生かしながら新しい時代を切り開く方針を決定し、いわて労連の責務と展望を明らかにした。
 
 これまで自民・公明政権が推進してきた悪政と大企業の無法な「首切り」「雇い止め」で、労働者・国民のくらしと雇用、いのちの砦の地域医療は切り捨てられてきた。特に、5.7%という過去最悪の完全失業率、全国各地で吹き荒れる賃下げ、倒産・解雇、11年連続で3万人をこす自殺者、農業破壊、中小企業の倒産・廃業も深刻である。こうした状況が個人消費を冷え込ませ、地域経済の回復をいっそう遅らせている。さらに、これまで自公政権がすすめてきた「構造改革」路線が自己責任という名の下で、いかに国民の生きる希望と生活を奪い去ったか、それは「ワーキングプア」や「ネットカフェ難民」、そして「年越し派遣村」という形で国民の前に明らかにされた。また、憲法9条の改悪をもくろむ「憲法審査会」設置、「海賊対策」を口実とした自衛隊の海外派兵問題など、平和と民主主義への危険な動きに対しても国民は気づき始めた。

 総選挙で国民は怒りの歴史的審判を下した。その結果は、民主党大躍進、共産党、社民党現状維持、自民党・公明党激減でついに自公政権は退場し政権交代が現実となった。
 悪政の限りを尽くす政治・経済の方向は、必ず国民との矛盾を深め、崩壊に至ることは数多くのこれまでの歴史が示している。また、民主党が打ち出した政策には、比例定数80削減や農業破壊をもたらすアメリカとの自由貿易協定締結、4年後の消費税増税など国民にとって有害な政策も含まれており、私たちは新たなたたかいが求められている。

 さらに、核兵器廃絶を求める国際的な機運が高まるもとで、核密約の公開・廃棄と非核の日本を実現すること、来年5月に開催されるNPT再検討会議において核保有国をはじめ、すべての政府が核兵器全面禁止・廃絶条約の締結への一歩を踏み出すよう強く求めるため、「核兵器のない世界を」国際署名を地域、職場、学園でいっそう大きく広げ、1200万筆の目標を達成することを呼びかける。

大会は、労働者派遣法の抜本改正と最低賃金の引き上げ、公契約運動などを通して貧困と格差の解消、雇用の創出と安定を求めるたたかいを強化していくことを確認した。
 また、大企業中心の自公政治の終焉、政権交代のもとで消費税増税ストップ、教育の充実、地域医療確保、社会保障の拡充、憲法9条、25条を活かす政治の実現など国民生活を中心とした政治をめざして、さらに奮闘することを確認した。
 さらに、非正規労働者の要求実現と労働相談、組合加入の受皿としての「いわて労働相談センター」「いわてパート・臨時労組連絡会(いわてパ臨連)」「岩手県地域労働組合(いわてローカルユニオン)」運動を全ての地域に確立させることをめざし、総力をあげていわて労連3万人組織を早期に達成することを確認した。

 いわて労連は、この秋、新しい政治が始まる中で、要求闘争と組織拡大で労働者・県民のたたかいの先頭に立ち、結成20周年を意気高くむかえることを全ての仲間に心から呼びかけるものである。

以上 宣言する。

   2009年9月5日
岩手県労働組合連合会 第21回定期大会