機関紙「いわて労連 2013年 4月号      

 

TPP緊急全国集会●TPP交渉参加表明は許されない●東日本大震災津波2年のつどいin大船渡・被災者本位の復興支援を●大熊座●13春闘・通信労組ストライキ決行・大幅賃上げ、サービスセンタ存続を●3・13重税反対全国統一行動・消費税増税は中止を●なくせ原発イレブンアクション●最賃委員公正任命を求め労働局要請●LU山田分会結成●第2回「春休み子どもスキー」天候に恵まれ笑い声が山々にこだま●国際女性デー岩手県集会・どうなっているの?日本の男女平等●岩手県国公県議会請願を行う/いわて労連も請願●地域の取り組みに学ぶ・農協労組ヤングセミナー ●いわて食・農ネット学習講演会と総会●オスプレイ宣伝行動●主張・第84回メーデーの成功で政治の流れを変えよう!●ご卒業おめでとうございます。労働者の先輩からプレゼント・青年部、岩大卒業式で権利手帳など配布●NEWS フラッシュ・電力料金学習会・胆江労連学習会・復興局要請・社保協宣伝●めもあーつ143・岩波ホール総支配人・高野悦子さんの仕事「映画のなかの人生、人生のなかの映画」●川柳


1面


 TPP交渉参加表明は許されない
 3月14日、岩手県農協労組中央執行委員会は「TPP交渉参加表明を許さない」という緊急声明を出し、安倍首相に送付。同時に報道関係にリリースしました。
 自民党は先の総選挙でTPPについて6項目の判断基準を示し、議席数では勝利し政権につきました。3月12日、東京で開かれたTPP交渉参加反対の全国集会で、自民党代表の石破幹事長は「自民党は絶対公約を守る」と断言し、岩手はじめ全国から集まった4千人を前に党を代表し約束しました。しかし、自民党は翌13日、6項目の判断基準のどれひとつクリアできていないのに交渉参加を事実上容認しました。そして14日には決議をまとめ安倍首相に参加表明を丸投げし、自民党の選挙公約は3カ月、全国集会での自民党の約束はわずか2日で破られたのです。
 農協労組の緊急声明は、TPP参加の賛否以前の問題として、民主主義を踏みにじる安倍首相と自民党の暴挙に強く抗議しました。そして、TPPの本質はアメリカ中心の一部企業の利益のために、参加国の国民のいのちやくらしなどを守るルールを変えていくことであると告発し、交渉参加表明を行わないよう強く求めました。
 翌15日、安倍首相は参加を表明しました。「公約にかかげずTPPに暴走しはじめた民主党」「TPP交渉反対を公約しながら暴走する自民党」。2大政党の本当の姿がはっきりしました。夏の参議院選挙が大きな分岐点です。


東日本大震災津波2年のつどいin大船渡
 被災者本位の復興支援を

 「東日本大震災津波2年のつどいin大船渡」が、3月3日、「東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議」と「つどいけせん実行委員会」の主催で開催され、会場のカメリアホールには被災地住民をはじめ、バス参加などで、県内外から300人が集まりました。
 感動的な合唱のオープニングの後、最初に県民会議の代表世話人の東幹夫氏が主催者あいさつし、「被災者の生活と生業に必要な公的支援を行わせよう」と述べました。来賓として大黒作治全国災対連代表世話人・全労連議長と日本共産党高橋ちづ子衆議院議員があいさつしました。
 記念講演は立命館大学教授で、大船渡市復興計画推進委員長の塩崎賢明先生が「東日本大震災 住まい・まちづくり・明日へ」と題して話しました。
 塩崎氏は東日本大震災の被災の状況を明らかにしながら、「自力再建を支援することが大事であり、被災者に対する支援を大きく拡大することが今求められている」と強調しました。
 つづいて「フォーラム」が開催され、「ろくろ石地域公民館館長」の村上誠需さんは「仮設団地の連絡協議会を作り被災者・仮設に暮らす住民の情報交流と運動をすすめていきたい」と話しました。
 最後に救援・復興県民会議鈴木露通事務局長は「いわて復興一揆」として、被災者の声・要望等を復興局や国などに強く要望していく運動を強化することを提起し全体で確認しました。



大熊座
 今春闘の賃上げ回答で、びっくり!なんと、県内の民間病院労組で月額平均2万円の賃上げですと。確かに、今、医師や看護師の確保が公立・民間問わず深刻な問題となっています。全国には、スタッフが確保できず病棟を休止するところもあるほどです。この病院では、労働組合だけでなく中間管理職からも賃金や処遇の改善を求める声が訴えられていたとのこと。一時金との調整で、年収は、平均16万円増だそうですが、それにしても久しぶりの朗報です▼新採用や異動等で新しく職場の仲間となった皆さん。最初は、新しい環境に慣れるまで色々大変だと思いますが、過度に緊張せず、じっくりと着実に取り組みましょう。職場の先輩方の皆さん。新しい仲間をやさしく迎え、丁寧に教えてあげて下さい。そして組合加入を呼びかけ仲間の輪を広げましょう▼組合員の中には、新入学を迎えたお子様やご親族をお持ちの皆さんも多数いらっしゃると思います。ピカピカの一年生、希望を胸に膨らませて新しいスタートが始まります。家族の温かい見守りが大きな支えになることでしょう▼子どもたちが安心して暮らせる社会をつくるのは、私たち大人の責任です。平和を守り、人間らしく生き、働ける世の中をつくるために、憲法を守れ、雇用を守れ、最低賃金を引き上げろ、農林漁業を守れ、庶民増税反対、社会保障を拡充せよ、原発なくせ、被災者本位の復興・住宅再建の促進など、みんなの要求を実現しましょう。『いつやるか?今でしょ!』(こ)

2面

13春闘
 通信労組ストライキ決行  大幅賃上げ、サービスセンタ存続を


 3・14全労連統一行動に呼応し、通信労組は全国31都道府県、26支部、131事業所で293人の組合員が、始業時から10時まで、要求実現のためストライキで闘いました。岩手でも盛岡、宮古、釜石の組合員がストライキに突入しました。
 NTT職場は、2002年に導入された「50歳退職再雇用」制度により賃金が3割ダウンし、これでは生活が成り立たないと、大幅賃上げを望む声が大勢です。「50歳退職再雇用」制度は今年度から実施されないことになりましたが、これまでの11年間の賃金の是正措置をとの声も強くあります。
 また、現在宮古、釜石、水沢にあるサービスセンタには70名を超す労働者が設備の保守をはじめとした業務を行っていますが、その3サービスセンタをアウトソーシングし、労働者を盛岡に集約しようとしています。各サービスセンタは震災時、通信設備の復興・復旧、特設公衆の提供等々に大きな役割をはたしてきました。
 これらのサービスセンタのアウトソーシングはサービス低下、労働条件の低下をまねくことが懸念されます。
 内部留保9兆5461億円の一部取り崩し、株主配当16、000円(100株)の高額配当の見直しで、これらの課題は解決できると訴えています。


3・13重税反対全国統一行動 消費税増税は中止を
 3月13日、国民本位の民主的税制を求める、重税反対全国統一行動が行われ、岩手では3月13日前後に、盛岡を初め県内9カ所で集会が行われました。
 盛岡市で開かれた第47回岩手県中央集会は岩手県教育会館で行われ、350人が参加しました。
 学習講演では三閉伊一揆を語る会事務局長の牛山靖夫氏が、「重税反対に勝利した三閉伊一揆」と題して講演、藩の悪政に反対して立ち上がった民衆の団結と勝利について語り、「もうだまされるな!心を一つに結んで前進しよう」と結びました。
 集会は、“消費税増税・社会保障改悪・TPP参加から決別し、賃上げと内需拡大・社会保障の拡充を求める”集会宣言と、消費税増税の中止を求める特別決議を採択しました。最後に参加者は、いわて労連金野議長の発声で「ダメなものはダメ」と書かれたアピールボードを頭上に掲げて、ガンバロー三唱を行いました。
 集会後は雨の中を税務署に向けてデモ行進を行いました。


なくせ原発イレブンアクション
 大震災から2年になろうとする3月10日、いわて労連などは盛岡市大通野村證券前で「なくせ原発イレブンアクション」行動を行いました。
 この日は雪交じりの強風が吹く日でしたが、「イレブンアクション、原発再稼働許すな」の横断幕を掲げ、いわて労連役員や女性部役員が交代でマイクを持ち訴えました。大震災2年ということもあり、道行く人は次々と訴えに応え、次々と署名してくれました。
 この行動には毎月宣伝しているいわて労連女性部も加わり、30人以上が参加し79筆が集まりました。
 また、夜の「祈りの灯火」の取り組みに向けて500本の竹灯籠を作成し、会場に並べたのですが、強風のため、残念ながら点火することはできませんでした。


最賃委員公正任命を求め労働局要請
 3月22日、いわて労連は、小林健・岩手労働局長に対して、岩手地方最低賃金審議会労働者委員に、いわて労連推薦委員の任命を求める要請を行い、小林労働局長らが応対しました。地方最低賃金審議会の委員は労働局長により2年毎に任命されます。労働者委員は5名ですが、連合推薦の委員が独占する偏向任命が続いています。いわて労連は、岩手県農協労組、いわて生協労組、岩手医大教職組、岩手県社会福祉労組、いわてローカルユニオンの代表5名を候補として推薦しています。要請には候補者や各組合代表者も参加しました。金野耕治・いわて労連議長は「活発な審議を行う上でも公正な任命を」と要請しました。小林労働局長は「中央労働委員会では連合以外の組合から委員が出ている。様々な労組の意見を聞くことは有意義であり、真摯に検討する」と述べました。



LU山田分会結成
 山田町のNPO法人「大雪りばぁねっと」の元従業員が、3月2日に山田町でローカルユニオン山田分会の結成大会を開きました。
 この法人は一方的な解雇通告を行いましたが、法人からの経過の説明や謝罪は全くなく、みやこ労働生活相談所へ相談が寄せられ、労働組合を結成して交渉を進めていくことになりました。倒産の経緯と真相の説明・謝罪、未払いの解雇予告手当を早急に支払うことなど求めていきます。 


第2回「春休み子どもスキー」
 天候に恵まれ笑い声が山々にこだま
  岩手県勤労者スキー協議会会長  佐藤 静雄

 今年の「春休み子どもスキー」は、宮古地区から子ども46名、父兄7名の計53名が参加し、ボランティア32名の協力を得て、3月23日〜24日、八幡平リゾートパノラマスキー場で開催しました。2日間とも天気に恵まれ、皆さん元気よく楽しくスキーが楽しめたと思います。
 震災から2年間、子どもたちは声にこそ出さないものの大変な苦労を乗り越えてきたのでしょう。本当に素晴らしい笑顔でした。参加者のうち子ども20名などが初めてスキーをする方たちだったので、最初は平地での歩行練習から始めていましたが、2日目になると全員がゆっくりでも滑れるようになり私たちボランティアも歓声を上げるほどでした。
 この企画は昨年の10月ごろから取り組みを開始し、いわて労連をはじめ宮古市教育委員会、山田町教育委員会やスキー場、ホテルの皆さんの協力を得て開催することができました。本当にありがとうございました。
 これからも私たちスキー愛好者ができることで、震災復興に向けて支援ができればと思っております。岩手県は広く、沿岸部は南北に200q近くあります。今回は釜石地区に続き宮古地区でしたが、来年は大船渡、陸前高田、気仙沼地区の子どもたちを対象に開催したいと考えております。また皆さんの絶大なるご協力をよろしくお願いします。



3面


国際女性デー岩手県集会
  どうなっているの?日本の男女平等

 3月8日、「女性の連帯と協同をひろげ、ジェンダー平等へ」のスローガンをかかげ、国際女性デーが全国各地で開催されました。 岩手県集会は県公会堂で開催され、盛岡市内を中心に74名が参加しました。
 集会では、宮城学院女子大学教授の浅野富美枝さんが「どうなっているの?日本の男女平等」と題して講演。世界から見ても大きく立ち後れている日本の男女平等の原因が、女性に仕事と家庭の二重の負担を押しつける家庭内にあるとし、「個人の尊厳より家族を守る」ことが、「個人を捨てて国を愛する」ことにつながるとして、社会の関わり方を変えていかなければ解決しないと話されました。 東日本大震災では、決定の場に女性がいなかったために、生活弱者のニーズが届かなかったとし、男女平等が進まない原因が震災で明らかになったと指摘しました。
 日本国憲法の草案に携わり、昨年12月30日に亡くなったベアテ・シロタ・ゴードンさんが「9条と24条を世界平和のためにも守る必要がある」と遺言として残したことを話され、諸問題打開のカギは男女平等にあると結びました。
 講演のあとの職場交流では、岩手医大教職組から退職金削減問題、盛岡市職労からは学校給食のセンター化反対への支援の訴えがありました。
 最後に、スローガンの確認、日本政府に対する決議を採択し閉会しました。 



岩手県国公 県議会請願を行う 
 13春闘期3月19日、岩手県議会2月定例会も後半のこの日、岩手県国公は、国公労連の取り組む「総対話MAP行動」(これまで破壊され続けてきた公務・公共サービスの再生をめざす市民対話総行動)の柱である、議会請願行動にとりくみました。 
 東日本大震災発生から2年が経過、仮に国の出先機関の廃止や地方移譲が行われていたなら、迅速な復旧などの取り組みは極めて困難であったと考えられます。いま、あらためて、国と地方の共同による責任と役割の発揮が不可欠なことが確認され、また、末端の地方自治体からは、「道州制」の導入が国家責任の大きな後退と住民自治の形骸化を招くとの声があげられています。
 このような中、県国公では、岩手県議会に対し、憲法第25条の完全保障を実現するため、国の出先機関や独立行政法人の体制・機能の充実をはかる請願をすることとしたものです。この日、日本共産党高田一郎議員の紹介を得て、請願書を議会事務局に提出しました。
  いわて労連も請願
 また、いわて労連ではこの議会に向け「TPP参加反対」と「最賃引き上げ」の請願を提出。「TPP」は採択、「最賃」は一部採択となりました。


地域の取り組みに学ぶ 農協労組ヤングセミナー
 農協労組青年部春のヤングセミナーが、3月16日沢内・銀河高原ホテルにて開催され、10名が参加しました。
 セミナーでは、銀河高原ビールの坂進工場長から、気候や風土に適した地ビールづくりをはじめ、地域の活性化について話しを受けました。
 参加者からは、「地域に貢献したい、本物を作りたいという大本の部分を曲げることなく、歩んできていることに対して、目から鱗の落ちる思いでした」などの感想が寄せられました
 その後の分散会では、担当する業務の悩みや職場の課題などを話し合い、夕食交流会では、銀河高原ビールをいただきました。


いわて食・農ネット 学習講演会と総会
 3月1日岩手県水産会館で、いわて食・農・地域を守る県民運動ネットワーク2013年度総会が行われました。
 総会に先立って「新政権の農政をどう見るか」と題して学習講演会が行われ、講師の笹渡義夫全国農民連事務局長は「TPP交渉開始へと突き進む安倍首相は、訪米し日米共同声明を発表したが、その内容は『関税撤廃の聖域』を担保するものには全くなっておらず、この共同声明を盾にTPP交渉を進めることは許されない」など、TPPの問題点などについて詳しく話しました。



オスプレイ宣伝行動
 オスプレイ配備撤回・訓練中止を求める岩手県連絡会では、3月22日昼時間約30分間、盛岡市内「クロステラス」前で署名宣伝行動を行いました。行動には15名が参加し、「オスプレイ配備撤回・訓練中止を求める署名58筆を集めました。
 今回の宣伝には、いわて労連青年部のメンバーも初めて参加してマイクを握り署名への協力を訴えました。
 晴れて暖かく穏やかな気候の中、明るい雰囲気で多くの学生や若者からの署名を集めることが出来ました。

主張

 第84回メーデーの成功で政治の流れを変えよう!
 5月1日は第84回メーデーです。岩手県中央集会は岩手公園(盛岡城跡公園)・多目的広場で午前9時から開会します。県内でも各地で地域メーデーが行われます。今年もたくさんの皆さんの結集をよびかけます。
 東日本大震災津波からまる2年が経過しましたが、復興への歩みは遅れています。安定した雇用や住宅の確保、医療費助成の継続などがますます切実さを増しています。
 そうした中で自民党・安倍内閣が進めているのは、公務員給与引き下げの地方押し付け、消費税の増税と社会保障の連続改悪、農林漁業をはじめ地域経済を破壊するTPP交渉への参加です。復興の足を引っぱる政策ばかりが並んでいます。
 また、オスプレイの配備と低空飛行訓練の全国展開、沖縄新基地建設のための埋立申請手続き強行、原発の再稼動推進など、国民の願いや思いを踏みにじる方向に進んでいます。憲法の改悪もはっきり名言している危険な内閣です。こうした動きをはね返して復興を前に進めていくことが求められています。
 そのためにも、労働者・国民の生活危機を打開して、平和憲法を守り、公平・中立な日本をめざしてたたかう歴史と伝統を受け継ぐメーデーを大きく成功させていくことが重要です。 今年の7月には参議院選挙が行われます。第84回メーデーは、政治の流れを変えるメーデーと位置付けています。平日のゴールデンウィークの合間ですが、正規やパート・アルバイト、新しく職場に入ったばかりのフレッシュマンも含め、文字通りすべての労働者の参加を呼びかけて、多くの結集で政治を変える力にしていきましょう。
 5月3日には憲法記念日の学習会も計画しています。合わせて大きな結集を呼びかけます。



ご卒業おめでとうございます。労働者の先輩からプレゼント
  青年部、岩大卒業式で権利手帳など配布

 いわて労連青年部では「これから社会に出る大学卒業生に働くルール・権利を知らせよう!」と、3月22日岩手県民会館で行われた岩手大学卒業式の終了時に合わせて全労連「権利手帳」・ホットラインティッシュ・ローカルユニオンパンフをセットにして配布する宣伝行動を行いました。
 宣伝には、青年部役員や青年ユニオン役員のほか、いわて労連、盛岡労連から8人が参加、約30分間で宣伝物500セットを配布しました。
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NEWS フラッシュ


●電力料金学習会
 3月26日、消団連とくらしネットいわては、電力料金値上げを斬る学習会を行いました。
 

●胆江労連学習会
 2月27日、胆江労連は金野議長の講師で、春闘共闘学習会を行いました。
 

●復興局要請
 3月6日、いわて労連と救援・復興県民会議は復興局に要請を行いました。
 

●社保協宣伝
 3月25日、社保協は亀が池で前宣伝を行いました。




4面


めもあーつ143
 岩波ホール総支配人・高野悦子さんの仕事  
  「映画のなかの人生、人生のなかの映画」

 東京の神田古本屋街をぬけた神保町の角地にあるビルの10階。岩波ホールが。2月9日に45周年をむかえ、その日。ホール総支配人・高野悦子さんが83歳で逝った。「良いものは必ず分かってもらえる」という情熱とその凛とした生き方は、日本の映画界に残した功績が大きい。
 1929年旧満州生まれ。1952年東宝に入社。1958年にはパリ留学をはたして帰国。映画監督を目指すも、女性というだけで壁は厚く夢は阻まれた。
が、岩波書店・岩波雄二郎社長の縁で1968年にホール総支配人に就いた。
 当時、映画の配給を手がけていた川喜多夫妻を知り、夫人のかしこさんとともに岩波ホールを拠点とした、エキプ・ド・シネマ(映画の仲間)運動をスタート。第1回目の作品は、1974年インドの巨匠サタジット・レイ監督の「大樹のうた」。2人は運動を続けるにあたって4つの目標を掲げた。
@第3世界の名作、A大手が取り上げない欧米作品、B名作の完全版、Cすぐれた日本映画を世に出すこと。
たとえどんなに評判のものでも。暴力や戦争を肯定する作品は取り上げずにきた。いわばアンチ・ハリウッドともいえる。
 東京の小ホールとはいえ232席(現在は220席)、多難な運営をひとつの信念で支えつづけた。
 「企画は観客とともに、私が学びたい知りたいことを、少なくともその企画に魅力があり、時間をさいて足を運び切符を買ってもらうには、私が納得し体のなかから自信がわきでるようなもの、心に響く作品を取り上げた」と書いている。(シネマ人間紀行1982年)
岩波ホール上映中の作品は186回目の「八月の鯨」。エキプ・ド・シネマの会員は3200人を越える。
 映画大好きのひとりとして、人生の岐路には必ず映画があった。ビバ!シネマ。高野悦子さんに感謝!
     (久保克子)



川柳


年金者一揆が心強めます         菅原安治

図に乗って衣の下をちらつかせ      小原正

番号の次はびんたと知る身体       瀬川重哉

飛び立って降りる場の無いオスプレイ   岳猿

国辱を祝賀にしたい安倍自民        たけし

アメリカと祖父にはたんとひざまずき    拓庵

                            年金者組合盛岡支部